まるちよ

ディセントのまるちよのレビュー・感想・評価

ディセント(2005年製作の映画)
3.5
20台後半?と思われる、仲良しグループの女性6人で洞窟探検に行ったらモンスターに襲われてどうしよう、という話。
シンプルな話ながら、深いホラー映画という印象だった。

1:女同士のドロドロした感情
2:真っ暗な洞窟の中で展開される息が詰まるような描写
3:怪物の容赦無さ

この3つがいい感じに絡まり合って、退屈させない作りになっている。
特に要所要所で首をもたげる女同士の過去によるギクシャクした感じは、怪物に追いかけられている状況も相まってとても緊迫感を煽るものになっている。
そして、脱出不可能な洞窟内部の描写は、閉所恐怖症の人が見たら過呼吸になるんじゃないかというレベル。
何が起こるか分からない + 半端じゃない絶望感が常に漂うのがホラー映画として素晴らしいと感じた。

肝心の怪物に関しても、誇張しすぎず、あくまで「災厄」として脱出劇をカオスにしている。
これが倒すべき「障害」になっちゃうと対決モノモンスター映画になりチープさが増すので、とにかく脱出するんだ、という目標は登場人物が女性であることもあり理にかなったものだった。
ただ、登場人物のうち「ジュノ」だけ異常に強いおっ母さん的なポジションで、この人には幸せになって欲しかった。
最後、サラとジュノで多数の怪物と戦うシーンはこんな強いなら2人で協力して脱出しろよ!とツッコミたくなってしまう。

そしてホラー映画好きにはグッとくるラストシーンで、大満足だった。

◆良いところ
- ホラー映画としてとてもクオリティが高い
- 洞窟というシチュエーション的に絶望感が尋常じゃない
- 怪物の生態が下手な解説ではなく物語の進行で自然とわかるようになっている
- ラストシーンが好き

◆悪いところ
- 暗くて何が起こっているか分かりづらい
- いくら旦那を寝取られたからって主人公が執念深い
まるちよ

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