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ホーム スイート ホームの作品紹介

ホーム スイート ホームのあらすじ

2026年の冬。祖父の代から続く煎餅屋を継いだものの、無気力に過ごしている植木一郎(八村倫太郎)。そんなある日、押入れから突然現れたのは28年後から来た息子・英郎(増子敦貴)と56年後から来た孫・史郎(駒木根葵汰)だった。 ちょっとしたボタンの掛け違いから未来が変わり、生まれてこなくなってしまう英郎と史郎。未来を元の姿に戻すため、時空を行き来しながら歴史を修正していくうちに、3人は1999年の夏に到着。そこで出会ったのは、一郎が知る父親の姿とはまるで違う、若き日の父・耕太郎(前田公輝)だった。さらに、代々続く家と煎餅屋にも存続の危機が迫っていて――。

ホーム スイート ホームの監督

吉川鮎太

原題
公式サイト
https://hsh-movie.jp/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
110分
ジャンル
コメディ
配給会社
ナカチカ

『ホーム スイート ホーム』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『ホーム スイート ホーム』
製作年 2026年。上映時間 110分
映倫区分 G 製作国 日本

脚本家・演出家の金沢知樹が2006年に発表した舞台「HOME SWEET HOME」を映画化したタイムスリップホームコメディ。

下町の煎餅屋という泥臭い生活圏に未来の家族が飛び込んでくる状況設定を持ち込みながら、本作が模索しているのはどこまでも古典的な親子の絆の再発見かもしれません。過去から未来へと流れる世代間ギャップを未来側からのアプローチで同じテーブルに引きずり出す構成は独特でした。未来の家族という存在は、主人公・一郎にとって、歩むかもしれない未来の可能性を匂わせ、家族という逃げ場のない関係性に向き合うきっかけを与えているようにも見受けられます。
 
映画のタイトル『ホーム スイート ホーム』は、文字通り受け取れば、愛しき我が家という使い古されたフレーズです。しかし劇中の展開を辿ると、完璧で理想的な家を指すというより、歪で不格好であっても互いを捨てきれない場所こそがホームなんやと云う、少し屈折した温かみを仄めかしているかのようです。下町の煎餅屋という、煎り直すことで味わいが増し、型に嵌めつつもひとつずつ形が変わる職人の手仕事が、どこか壊れては修復を繰り返す家族の営みと重なって映るのも興味深いでした。
 
キャスト陣も、作品の熱量を緩やかに支える意図が感じられたかな。ダンス&ボーカルグループ・WATWINGの八村倫太郎が漂わせる若者特有の不器用な焦躁感に対し、機界戦隊ゼンカイジャーとの特撮作品で知られる増子敦貴と駒木根葵汰が、あえて、息子と孫という歪な配役で脇を固める面白さがありました。時間軸や異次元の概念をどこか想起させる特撮出身の二人が持ち込む空気が、日常の泥臭い家族像に独特の浮遊感を添えていました。前田公輝演じる父・耕太郎の佇まいや、大原優乃、山谷花純、樫尾篤紀、藤田ハル、ドロンズ石本といったキャストが織りなす空気感も、下町特有の濃密な人間関係に確かな生活臭を添えているように見える。
 
物語の奥に透けて見えるのは、時間差が生む理解のズレというテーマ性じゃないかな。未来から来た世代が、まだ未熟で等身大の悩みの中にいる親の姿に立ち会う。これって一種のメタファーとして、みんなが大人になる過程で親も昔はただの一人の若者であり、過ちを犯す不完全な人間やったと気づいていく感覚を、映画的なフィクションで可視化したようにも解釈できなくはない。未来の家族というSF的なフィルターは、現実の人間が自身のルーツや未来の姿に思いを馳せる際の揺らぎを写し出す鏡なのかもしれない。
 
この構図を少し深掘りしてみると、本作は時間の非対称性や世代間契約といった家族にまつわる難解な問いを、エンターテインメントの枠組みで軽やかに解きほぐそうとした試みとも受け取れます。本来、血縁関係とは本人の選択を超えてあらかじめ与えられる不可避な枠組みです。でも、未来からの介入という架空の状況を経ることで、登場人物たちは与えられた家族をそのまま受け入れるのではなく、自らの意志で選び直していくようなプロセスを踏む。これは、血縁という必然性から、意志による関係性の結び直しへと視点を移す現代的なアプローチの表れとも考えられます。
 
その一方で、映画としての出来映えには賛否が分かれる側面も残るかな。SF的な設定の仕掛けやタイムトラベルのロジックには甘さが目立ち、展開が少々都合主義的で下町の情に寄りかかりすぎている印象も拭えない。厳密なパラドックスの整合性やSF的スリルを期待する層にとっては、設定の大雑把さがノイズとして機能してしまうおそれもあります。人間の内面的な変化を描くことに主眼があるとはいえ、物語の推進力を下町の空気感やキャストの情熱といった感覚的な要素に依存しすぎている嫌いは否めない。
 
総じて本作は、傑作と手放しで絶賛するには粗が目立つものの、単なる駄作として切り捨てるには惜しい独特の熱量を秘めた可もなく不可もない佳作と個人的には思います。自分が不完全であるように、自分の親や子どももまた不完全な存在であるという当たり前の事実を受け入れる、ゆるやかな許しの可能性。完璧なロジックや洗練された展開こそ欠いているけど、未来からの奇妙な訪問者たちがもたらす波紋を通して、己のルーツに対する視線をほんの少し柔らかくするような穏やかな余韻を提示していました。


祖父の代から続く煎餅屋を営む植木一郎は、ある日、自宅の押し入れから未来の家族たちが現れるという異常事態に巻き込まれる。やってきたのは28年後の未来から来た息子・英郎と、そのまた息子で一郎にとっては孫となる史郎だった。3人はひょんなことからさらに過去へとタイムスリップし、そこで今度は若き日の一郎の父・耕太郎と顔を合わせる。4世代の4人は、なぜか全員27歳。親も子も孫も同い年という奇妙な状況の中、“家族会議”が始まるのだが……。
3.7
クリスマスイブの日祖父の代から続く煎餅屋を営む植木一郎の前に突如自宅の押し入れから自分の息子と孫を名乗る二人組が現れる

・家の中というワンシチュエーションながら、先が読めなく面白い


・個性がバラバラだが、ちゃんと家族らしい


キーワード
タイムリップ、せんべい、日付
タイムスリップ作品として辻褄の合わない部分もありますが、本作に関しては【コメディ】に振り切っているような印象。ストーリーラインよりも会話劇を楽しむべきコント作品だと思います。要は…

「細かいことは気にしない♪それワカチコ!ワカチコ!」

の精神が重要です。…ワカチコってなんですかね。まぁいいやw。


で、キャスト同士による軽快な掛け合いやノリツッコミが面白く、(良い意味で)アタマ空っぽで観れる一本に仕上がっています。また世代によってしっかりキャラクター設定を変えていることから、立ち位置や関係性も掴みやすいですね。

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