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ゴッドファーザーのKanaiSatoruのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
4.0
こんにちは映画小僧です。
突然ですが、ギャングとマフィアの違いってご存知ですか?
意外と知らないこの違いについて今回は触れてみたいと思います。
まずギャングは、アメリカの犯罪組織です。
19世紀に活躍したようで、わりと年齢の若い不良集団と定義されている記述があり、ギャングは大人になるとマフィアに加盟するなんて言われますが、ギャングオブニューヨークという映画(2002年にアカデミー賞に10部門もノミネートされたのに1つも受賞できず、さらにディカプリオが主演だったのに主演男優賞にノミネートされたのはダニエル・デイルイスだっといういわく付きの映画)では、不良集団というよりもっとキチンと組織化されているように見えます。

一方、マフィアはイタリアのシチリア島を起源とする犯罪組織です。
ですがイタリア以外の場所でも、イタリアの犯罪組織が活動していれば舞台がアメリカでもマフィアと呼ばれます。
映画ゴッドファーザー(1972年公開)はマフィアを描いた映画ですが、舞台はアメリカです。
調べると、マフィアの一部は19世紀末より20世紀初頭にアメリカに移民し、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市部を中心に勢力を拡大した、と書かれています。

ちなみにマフィアで有名なアルカポネとコルレオーネという人物を知ってますか?
実はアルカポネは実在の人物ですが、コルレオーネは実在しません。
アルカポネは映画アンタッチャブル(1987年公開 )に出てきます。ロバートデニーロが演じていて、恐らく映画好きなら知らない人はいないでしょう。
この映画、音楽が素晴らしいのと、最後の階段シーンなど、映画史に残る有名な素晴らしいシーンがありますので、ぜひ見て欲しいです。
また名脇役として、ショーンコネリーが人生で唯一のアカデミー賞(助演男優賞)を受賞しているのも見所です。
実はアルカポネがいた都市は、アメリカのシカゴ です。当時、ニューヨークではシチリア島出身のマフィアが勢力を拡大しており、アルカポネはナポリの出身だっため、ニューヨークでその地位を築くことができず、シチリア系の力が弱いシカゴへと渡って、のし上がっていきました。

さて一方コルレオーネですが、こちらは有名なゴッドファーザーに出てくるマフィアファミリーで、シチリア島出身で、映画の舞台はニューヨークです。
ゴッドファーザーでは、ヴィトー・コルレオーネをマーロンブランドが演じ、ゴッドファーザーPart2では、若き日のヴィトー・コルレオーネをロバートデニーロが演じています。
なんと2人ともこの役でアカデミー賞(ブランドは主演男優賞、デ・ニーロは助演男優賞)を獲得したんですね。なんとも偉大な映画です。

1880年から1920年にかけて、アメリカに渡ったイタリア移民は400万人にのぼるといわれます。現在アメリカに住むイタリア系の人々の祖先はほとんどこの時期に移住しています。さらにこれらの移民のほとんどはシチリア島か南部イタリア、ナポリ周辺からの移民です。
「ゴッドファーザー」は、そんなシチリア・マフィアの架空の組織「コルレオーネ・ファミリー」の歴史をアメリカの近代史をからめながら描いたフィクションなのです。

ちなみにアカデミー賞の長い歴史の中で、1作目に続き2作目が作品賞をとった唯一の例が、「ゴッドファーザーPart2」です。
ゴッドファーザーは、パート2、パート3が作られファミリーの歴史が過去から現在へと描き続けられる中で、マフィアという特殊な運命を背負わされたコルレオーネ一族の苦闘の歴史を描くファミリー・ドラマ(単なる暴力映画ではない)としての色合いが評価されてヒットしました。

ちなみにこういった男臭い映画は、好き嫌いが分かれるところで、実は僕はあまり好きではありません。笑
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