タカシ

サボテンの花のタカシのレビュー・感想・評価

サボテンの花(1969年製作の映画)
3.9
『スクリューボールはシンカー、つまり変化球のことですぞ』

「サボテンの花」と言ったって、歌の話じゃありません。
1969年のコメディ映画。この手のコメディをスクリューボールコメディと言うそうな。
つまり少し人と違う風変わりな男女が出るコメディという意味らしい。

ゴールディ・ホーンはこの作品で映画初出演し、いきなりアカデミー助演女優賞をとったというから驚きます。
私が記憶している彼女より確かに若くてキュートでビックリします。
そしてイングリッド・バーグマン。
「カサブランカ」の頃より大分年をとっていて、こちらもイメージとの違いにビックリ。

このゴールディにプロポーズするのが、独身貴族のウォルター・マッソー。
彼は結婚せずに女の子と遊びたかったので、彼女にも「自分は既婚者」と嘘をついていたのですが、いざ結婚するとなって、彼女に「奥さんと話をさせてもらえなければ結婚しない」と言われてしまいます。
そこでマッソーは自分ともうすぐ離婚するという妻役を自分の歯科医院の看護師のバーグマンに頼むのですが…

この凝った設定のため、前半はなかなか面白くなりませんが、後半からどんどん面白くなっていきます。
なかでも、バーグマンはコメディ演技を心から楽しんでるようで、彼女を観るだけでも、一見の価値ありなのです。

知名度の低い作品を映画評論家、町山智浩さんがまとめて紹介する企画、CSチャンネル「ザ・シネマ」の『町山智浩のVIDEO SHOP UFO』の中の一作。

この脚本家の過去作との関係、またシェイスクピアとの関係、またゴールディ・ホーン演じるヒロインの当時の社会的立場や作品の中における立ち位置などためになる解説がついていて面白かったです。
古い作品ですが、是非一度。なお町山さんの前解説だけならYouTubeで見られますよ。
CS放送(ザ・シネマ18.04.01録画)にて。18.04.12
2018#040
タカシ

タカシ