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東京上空300メートルの作品紹介

東京上空300メートルのあらすじ

本作は、東京・六本木の米軍施設「赤坂プレスセンター」と東京西部にある横田基地、そして基地が集中する沖縄を主な舞台として展開します。第1章「日本の空は誰のものなのか」は、東京都心で米軍ヘリの問題に迫った記者たちの調査報道を軸に描きます。見えてきたのは、日本のヘリであれば許されぬ飛行実態でした。東京・町田市(1964年)や沖縄国際大(2004年)で起きた過去の事故なども織り交ぜながら、戦後81年を迎えても変わらぬこの国の姿をあぶり出します。第2章「誰が犯人を逃がしているのか?」では日米密約の問題をひもとき、深刻な被害がなくならない米兵による性暴力と日本政府の姿勢を見つめます。第3章「米軍基地は誰のためにあるのか?」は基地問題と向き合う市民らの思いに耳を傾け、終章「星条旗と日本人」につなげます。「日米同盟」の名の下、放置されてきたこの国の“当たり前”を問い直します。

東京上空300メートルの監督

大墻敦

原題
公式サイト
https://mainichi.jp/sp/tj300m/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
110分
ジャンル
ドキュメンタリー

『東京上空300メートル』に投稿された感想・評価

misuzu
3.7
米軍特権の実態に迫るドキュメンタリー。
横田基地があるにも関わらず、米軍基地の問題はどこか他人事と感じている東京在住者も多いと思う。
でも、実際は新宿駅や渋谷駅の周辺を違法となるほどの低空飛行で米軍のヘリコプターが飛び交っている。
過去には日本での米軍機の墜落事故が報道されたこともあったけれど、それらが明日にもラッシュ時の新宿駅で起きないとは言い切れない。
先日も沖縄で米兵による凶悪な事件も起きており、私達の無関心さが日米関係におけるアメリカの優位を高めているのではないかと感じた。
映画を製作した毎日新聞社の記者、カメラマン登壇の舞台挨拶付き上映だったので、取材時のエピソードなど興味深い裏話も聞くことができ良い鑑賞となった。

097 / 2026年
4.0
この映像を見れば明らかな事実が映っている
トップガンを観て無邪気に喜んでた自分を反省
スマホ歩きはやめて空を見上げよう
さて、これは難しいなと思う。いや、この「難しい」は、内容についてのものではない。いや、確かに内容も難しいのだが、僕が言いたいのはそういうことではなく、解決が難しいなということだ。というか、「解決した状態とは何を指すのか?」みたいなところも難しいし、ホント色んな意味で難しいなと思う。

本作で扱われているのは、要するに「日米地位協定」である。で、その話の1つの切り口として、「首都東京上空を米軍ヘリが低空飛行している」という話がメインで描かれる。本作のタイトルもそこから来ている。

日本の航空法では、「周囲600メートル以内の最も高い建物から、さらに300メートル上空を飛行しなければならない」と決まっている。しかし、日米地位協定により、米軍はこの国内法を無視できるという(米軍にも国内法を尊重する義務があるらしいし、米軍に問い合わせても、米軍は日本の国内法を守ってるという回答らしいが)。

で、毎日新聞がかなり泥臭い取材をし、「米軍ヘリが日本のビルの間をすり抜けるような飛行をしている」という実態が明らかになった(以前から市民団体の調査で分かっていたが、毎日新聞は、誰からも反論されないような明確なファクトを掴むために、複数ヶ所から撮影を行い正確に高度を出すなどした)。

で、個人的に結構驚きだったのが、「六本木に米軍基地がある」という事実だ。全然知らなかった。「赤坂プレスセンター」という名前らしい。しかもこれ、国立新美術館のすぐ近くなのだ。国立新美術館はちょいちょい行くので、まさかそんな場所にあるとは、という感じだった。

で、毎日新聞や市民団体が東京での危険なフライトの実態を明らかにする内容を縦軸としながら、本作では、沖縄や横田基地などでの危険なフライトや米兵によるレイプ等の犯罪などが取り上げられる。で、そういう色んな描写を観ながら、「難しいなぁ」と思っていたのだ。

というわけで、本作を観ながら考えていたことをあれこれ書いていくが、ここでは、この問題に関わっている人には特に苛立ちを覚えるような話も書く。ただ、綺麗ごとを書いても仕方ないので正直に行こうと思う。

個人的に一番強く感じたことは、「国民の意識を変えようとするのは、たぶん無理だと思う」ということだ。毎日新聞の記者にしても、市民団体の活動にしても、もちろん米軍や政府にアプローチするようなことをやりながら、基本的なスタンスは、「日米地位協定に対する国民の関心を高めて、状況を動かしていく」みたいなことだと思う。

が、個人的には、「それは無理じゃないかなぁ」と思えてしまう。

もちろん、僕自身、米兵によるレイプ事件には憤りがある。法治国家として、加害者を国内で裁けないとか、あり得ないだろと思う。はっきり言って日本はナメられてるんだろうし、米兵にはきっと、「日本ではやりたい放題だぜ」みたいな認識があるのだろう。そして、ヘリの低空飛行や墜落事故後の対応などにおいてもそうだが、それらの背景に「日米地位協定」があるわけで、そりゃあどうにかなるべきだと思っている。

が、正直、この点に関して、国民の関心が高まる可能性は低いよなぁ、とも思ってしまう。身も蓋もない言い方をすれば、「多くの国民に直接の被害はない」からだ。もちろん、こういう言い方は、例えば僕が沖縄県民だとしたら、怒りに震えるだろう。「日本全体のために沖縄が被害を引き受けてるんだぞ」と思うはずだ。ただ、実際のところ、「自分の問題じゃないよな」と思う人の方が多いだろうなと思えてしまう。

で、その場合、国民全員に関係する実害としては、「主権国家なのに、日本の主権が及んでいない状況が存在するのはマズい」みたいなことだろう。ただこれは凄く抽象的な話だし、やはり多くの人が自分事とは感じられないだろうなと思う。っていうかそもそも、「自分は日本国民である」みたいな意識を明確に持ってないとこれを問題とは感じにくいと思うが、特に若い世代ほど、そんな風に感じる機会はないだろう(オリンピックとかワールドカップなんかで時々実感するぐらいだと思う)。

だから、それは良くない状態だと思いはするが、やはり、「この件に関して国民の感情が高まる可能性は低い」ように思えてしまう。それこそ、米軍のヘリが皇居とかディズニーランドにでも墜落しないと無理じゃないかな。

そしてだからこそ僕は、政治家の意識を変える方がいいと思う。

いやもちろん、「政治家の意識を変えるためにまず国民の意識を変える必要があるんだ」みたいな話なんだろうし、それは全然理解できる。が、同時にこうも思う。どうせ国民は日米地位協定に興味がないんだし、さらに、首都の上空を米軍ヘリが低空飛行するみたいな危険な状況にも特に何も感じずにいられるんだから、だったら、仮に米軍が日本からいなくなって日本を守ってくれなくなりかねない決断・行動を政治家がしたって、たぶん国民のほとんどは無関心なんじゃない? と。だから、政治家が「米軍が日本を守ってくれなくなるリスクを冒してでも、日米地位協定の改善に注力する」って風に勝手にやっちゃえば良くない? と思う。そうしたって、少なくとも無党派層の政治家に対する評価は何も変わらないだろう。

もちろんそうならないのは、自民党の岩盤支持層である保守派(とか書いてるけど、イマイチよく分かってない)が反対するから、なのかな? この辺はホントによくわからないのだが、ただ、保守って名前のイメージ的には「日本の伝統を守ろう」的な感じじゃないのかな? だとしたら、「日本の主権を冒す日米地位協定、許すまじ」とかなりそうな気がするけど、そうはならんのかなぁ。ホント分からん。

まあとにかく、話を戻すと、「国民はどうせ政治に興味ないんだから、仮にアメリカを怒らせてでも、日米地位協定を日本に利するように改善するのを勝手にやっちゃえばいいのに」と個人的には思う。日本国民の意識を変えるより政治家の意識を変える方が、数的な意味では容易だろうし、もうそれで良くない? って思うんだが、僕はなんか変なこと言ってるかなぁ。

もちろん、「アメリカを怒らせて日本を守ってくれなくなったら大変だ!」ってなるんだろうけど、でもさ、少なくともトランプは日本を守らないやろ。僕にはそんなイメージは出来ない。それに、アメリカはアメリカのために、日本の基地を手放せないんだから(地政学的な観点から、アメリカが日本の基地を手放すとは想像できない)、むしろ「日本を怒らせて、日本の基地が使えなくなるようになったら困る」みたいに持ってったら良いのでは? とか思うんだけどなぁ。自衛隊だって戦力的にはかなりのものなんだろうし、「日本の防衛」って意味ではかなり頑張れるのでは?(知らんけど)

もちろん、「そうかもしれないけど、ただ、でも、他国からの攻撃を防ぎきれなかったら甚大な被害が……」みたいな話になるんだろうけどさ、「米兵にレイプされて殺されちゃう」って時点で既に甚大な被害じゃない? って思う。むしろ、「ミサイルによる被害は完全には防げないかもだけど、米兵の悪事を抑え込むぐらいどうにか出来るやろ」って思うし、そう考えると、レイプ被害の方が「防げたはずなのに被害が続いてる」って意味でより甚大な被害と言えるだろう。

もちろん、アメリカを怒らせることで、米軍以外の部分(輸出入など経済的な部分とか)で悪影響が出るかもだし、そういうことを色々考えると容易じゃないが、少なくとも今の弱腰のスタイルはどうにかしろよって思う。

というわけで、もっと話を戻すと、僕は本作を観ながら、「国民の意識を変えようとする方向性は厳しいよなぁ」ってずっと思ってたし、色々頑張っている人の努力は報われてほしいが、ちょっと無理筋な気がしてしまった。

そういう意味で、作中に登場した港区の区議だったかな、彼の主張には比較的賛同できた。彼は「基地を返せって言ってアメリカが返してくれるなら僕だってそう言うけど、返さないじゃん、絶対。だから、そんな主張には意味がない」と言っていた。それは僕も同感だ。そしてその上で、「基地の共同利用を提案して、安全に対する話し合いの場を持とうとするのが現実的じゃないか」と言っていた。それも納得だ。少なくとも、「基地を返還しろ!」と主張しても、日本に住む多くの人は「さすがにそれは無理でしょ」と感じてなかなか連帯するところまで進めないように思う。であれば、最終目標は基地返還におくとしても、その前に現実的なステップを踏んだほうがよい気がしてしまう。

僕も正直こんなことは書きたくないが、現実的に考えて、作中に出てきた市民団体の活動が報われる可能性はかなり低そうに思えてしまったので、敢えてキツイことを書いてみた。毎日新聞の「誰も否定できないファクトを提示する」というスタンスは良かったと思うが、市民団体は、同じ時間を使うなら、もう少し現実路線を進んだ方が良いような気がしてしまう。

しかし、日本のナメられっぷりはなかなかのものだ。作中ではこんなエピソードが紹介されていた。ある時、赤坂プレスセンターの地下で工事を行うことになったため、米軍側と交渉し、赤坂プレスセンターに隣接する公園(って言ってたと思う)を一時的に貸すことにしたそうだ。もちろんその土地は、工事終了後に返却してもらう契約だったのだが、結局米軍はその土地を返さず、今も使い続けているそうだ。政治家が弱腰だからナメられるんだろうなぁ。

また、毎日新聞の報道が国会で取り上げられたのを機に、外務省がアメリカにことの詳細を確認したそうだ。で、それについて毎日新聞が外務省に取材したそうなのだが、外務省は「アメリカがシロだと言ってるんだから我々も納得した」と返答したそうだ。まさに言いなりだろう。

ほんと、やってらんないよねぇ。

僕にはホント、日米同盟がどれだけ重要なのかよく分からないけど、アメリカだってそれなりに日本の重要性を理解してるはずなんだし、日本が「日米地位協定とかどうにかしないと、中国ともっと仲良くするよ!」みたいな脅しを掛けたら、アメリカとしても結構困るんじゃない? もちろんそんな単純な話じゃないのは分かってるが、やれそうなことは色々あるんじゃないかなぁ、と思うんだよなぁ。

というわけで、あまり作品の内容について触れていないが、観ながら「日米地位協定と、日米地位協定に弱腰の日本政府はクソだな」と感じたし、どうにかしろよって感じだった。減税もいいけど、せめてさ、基地の返還は無理にしても、米兵による犯罪行為ぐらい抑え込めるような対策はしろよって思う。そっちの方が減税なんかより遥かに重要だろうよ。

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