彦次郎

迷宮物語の彦次郎のレビュー・感想・評価

迷宮物語(1987年製作の映画)
3.4
3本の短編アニメを詰め合わせたオムニバス集。
鏡の中の日本世界をさまよう『ラビリンス*ラビリントス』がメインで他2編はそのエピソードのラストに出たサーカステントの出し物という扱いのようです。少女と猫が不思議な世界を探索するのですがそれが日本で行き着く先がピエロのサーカステントというなんとも奇妙な世界観で明け方に見る夢のような感覚でした。
『走る男』はカーレースチャンピオンがスピードに取りつかれる狂気を描いております。ひたすらレースのみの話という無骨さ。ゲーム『F-ZERO』の暗黒版みたいな感じですが本作の方が発表は先です。
『工事中止命令』は僻地のロボットによる工事を止めようとする話。人間は1人という孤独さで段々と不気味さが加速していくのが良かったです。巨大なプロジェクトを止める難しさと朝令暮改までいきませんが状態の変化による上からの指令の気まぐれさは現実世界にも見受けらそうです。なお監督は大友克洋で後の名作『AKIRA』に繋がるようなメカと気持ち悪さの描写で印象的でした。
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