マヒロ

ドラキュラのマヒロのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
2.5
たまにこういうコスチュームプレイ的な映画が観たくなる。

ゲイリー・オールドマンにウィノナ・ライダー、アンソニー・ホプキンスにキアヌ・リーブスと、かなり豪華な主要人物のキャスティングなんだけど、ストーリーがダイジェストかというくらい物凄いテンポで進んでいくので、かなり物足りない印象を受けた。ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』といったらみんなもう知ってるだろうという前提があるのかもしれないけど、あいにく読んだことないので話の筋が掴みづらかった。
キャラクターも描写不足なので、よく分からないままウィノナライダーはドラキュラ=ゲイリーオールドマンに心変わりし、何もしてないキアヌが情けないくらい置いてけぼり状態になっているようで何とも腑に落ちなかった。理屈じゃなくて、箱入りお坊ちゃんより危険な香りのする男の方が魅力的ということなんだろうか。

ドラキュラの吸血という行為が性的なメタファーであるという話はなんとなく漏れ聞いたことあるけど、今作ではメタファーなんてもんじゃない直接描写が多い。官能的…というよりは端正さの無い下品な感じで、これはドラキュラが神に背いた穢れた存在であるという設定から狙ってやってるのかなと思った。ドラキュラの城で3人の女吸血鬼に襲われ、乳首を噛まれてなんか満更でも無さそうなキアヌがこれまた情けなくて面白い。なんかメインであるウィノナ&ゲイリーよりも、終始ぞんざいな扱いで何の味もない可哀想なキアヌの方に感情移入してしまっていたので、鑑賞姿勢からしてすでに間違えていた気がしなくもない。

(2017.143)
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