Jaya

妖刀物語 花の吉原百人斬りのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

顔の痣の為に女日照りの絹織物屋の佐野屋が吉原で岡場上がりの花魁に入れあげ毟りに毟られた挙げ句に刃傷沙汰に走るお話。この痣で化け物呼ばわりなのか?

歌舞伎の「籠釣瓶花街酔醒」の翻案とのこと。そのせいか、刀の始末など無理があるところも。歌舞伎がどうなのか知りませんが、ラストの立ち回りは芝居がかっていてキツかった…。

おどろおどろしい話で、気弱な佐野屋の演技が光っていました。さっさと手を引く以外には佐野屋が割を食う外はなく、その中心の玉鶴のどこまでも垢抜けない感じがハマってました。

カメラワークが素晴らしく、ぬるりと動く構図が素晴らしい。照らされる泥濘での栄之丞の殺害シーンは殊の外美しかったです。小道具の一つ一つにも気が配られていて、リアリティが素晴らしい。

前半はノワール的で惹き込まれたのですが、話の展開とともに急速に芝居がかってきて、ちょっとガッカリしてしまった作品でした。
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