Jaya

宗方姉妹のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

宗方姉妹(1950年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

夫が宿六の姉節子をパリ帰りの知己田代とくっつけようと妹満里子が世話を焼くお話。家屋の扉がかなり安っぽい。

宗方姉妹の演技が素晴らしい。特に節子に圧倒的存在感を。舌を出すやりとりやウグイスの鳴き真似、田代相手の即興演劇みたいなやりとりなど、満理子には印象に残る可愛らしいシーンが多かったですが、アイドル然ともしていて、節子の方が印象的で深みも感じられました。

映像の美しさもそこかしこに感じましたが、台詞回しがしっくりこない。宗方一家には含蓄もあり心に残る台詞が多かったですが、余りに文芸的過ぎて説教臭く感じました。

時間を使ってで余命幾許もないことが示された父はどうなったのだろう?三村の死に様も文芸趣味に過ぎるよう。

三村や満里子の言動は子どもじみていて違和感。ヘラヘラしてるだけの田代。ラストの「お汁粉の色みたい」のやりとりは心を鷲掴みにされました。

姉妹のリアリティがどこまで出ているのかは分からず、他人でも成り立ちそうな気もするのですが、品があって美しい映像と演技で人生の機微が描かれた名作でした。
Jaya

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