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必殺4 恨みはらしますのkoyamaxのレビュー・感想・評価

必殺4 恨みはらします(1987年製作の映画)
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深作欣二監督による4作目。

従来仕事人は(ほぼ)動かない。

もうね、完全に千葉ちゃん&JACと深作映画ですよ笑

千葉ちゃんの子連れ仕事人という新キャラ登場です。

東映時代劇か?とおもうくらいにダイナミックな深作映画としてもはじけている分、普段の中村主水以外の仕事人の影がうすめですね。
仕事人ファンとすれば、このあたりは如何なものなのでしょうか。

ただ、従来の中村主水の昼行灯的な和み雰囲気と、
事件のうらに隠された陰謀、父を殺された女の悲しい決意。
色々な思いがどんどん積み重なって、仕事人が行く。という
ドラマチックな要素は外していないので、レギュラーメンバ-の活躍は少ないものの、王道展開です。


千葉ちゃん仕事人が、
仕事として殺しのプロフェッショナルに徹する男。という感じで、
一匹狼タイプのプリミティブな仕事人なんですよ。


今の仕事を選んできてきた者の意地と矜持。そして途上で死ぬ事の覚悟が出来ている。
だからこそ、仕事と安寧を両立できない悲哀があり、
だからこそ 決断が、厳しいし、
だからこそ、損得を超えたところにある行動がまたやるせないんですよね。泣。

浮かび上がってくる彼の弱さ。それは生き様にも結びつき、泣けてきます。
できれば、彼の話として、もっと掘り下げてもらえればとすら思えましたね。

他にも「ヒャッハー」のお言葉がお似合いのマッドマックスみたいな旗本愚連隊の皆様や蟹江敬三、成田三樹夫 
邪悪な顔いいですね。そして真田広之の変貌ぶりもかなり変化球で打ちのめす感じがよいですね笑
やっぱ時代劇は邪悪な顔が作っていると思わされます。

長尺というのは否めませんがなかなかに濃い展開でした。
アクションも見応え増し増し。
そして「悲哀」ですよね。実は一番観たいのは。
そういう意味でレギュラーメンバーの活躍は少なく、深作味が強いものの
本来的な意味で仕事に生きる仕事人映画と言う感じはあったと思います。
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