バナバナ

つぐないのバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

つぐない(2007年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

この映画、ストーリーだけ追ったらフジTVの昼メロみたいな話なのですが、そこは無粋にならない様に過剰な音楽は使わず、タイプライターを叩く軽快な音をBGMにし、前半はイギリスの上流階級のお屋敷を、後半は第二次世界大戦を舞台に移し、格調高く見せています。

ブライオニーのやったこと…。
ブライオニーは小さい頃から作家志望で、13歳で“駆け落ち”をテーマにした大人びた戯曲を書いていたけど、その実態は世間知らずのお嬢様で、ただのお子ちゃまだ。

これが『ラマン』のマルグリッド・デュラスみたいに、低下層の辛酸を舐め、中身が成熟した子だったらどうだろう。
勘違いや思い込みじゃなく、それこそ本気で陥れたか、それとも冷静に有り得ないと思ったか。

私はあの前後の状況では、お子ちゃまがああいう行動を取るのはしょうがないだろう。
だいたいお姉ちゃん達、あんな広いお屋敷に住んでるんだから、自分達の方で気を付けなさいよ、と思ってしまった。
でも、もう取り返しのつかないものほど、心に澱のように残りますよね。
ブライオニーにとっては13歳の時と、18歳の時と。
この結末でも、決して彼女の心が晴れることはないでしょうから、うーむ…という感じでした。
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