Jaya

武士道残酷物語のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

武士道残酷物語(1963年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

関ヶ原以来の悲惨な家系、飯倉家を振り返るお話。衆道のパートがやけに長かったのは南條範夫ゆえでしょうか…。

中村錦之助が1人7役。キッチリ演じ分けてるのが凄い。しかし流石に前髪の役は無理ありました。女性役ではお萩こと岸田今日子が図抜けた存在感。凄い。

登場人物たちが武士道という名の奴隷根性に染まっている様子が容赦なく描かれます。特攻を経て現代の社畜精神に至る落としどころにはしてやられました。

しかし、そもそも武士のときの話が余りに先鋭化していて、現代のオチが効果的だったのかは疑問。猛烈な皮肉という意味では見事でした。

最初のうちは「んなアホな」と思いつつも、話が進むにつれて、永久に変わらないのではないかとも思う相似形に至るという、南條範夫原作に納得するような、勢いに溢れた力作でした。
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