かつきよ

ヒックとドラゴンのかつきよのレビュー・感想・評価

ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)
4.0
タイトルに特に惹かれるものは無く、キャラクターデザインも好みじゃなかった為に全く食指が動かなかったのですが、最近ドリームワークスアニメーションハズレがないなーと思っていて、友達も絶賛していたので鑑賞しました。

結果、大変好みの作品でして、ドリームワークスすげーなとなりました…

ドラゴンを退治するバイキングの長の息子に生まれたひ弱な少年が、ドラゴンとの交流を通して民全体の考えを変えていく過程を描く、ハートフルな異種間交流アニメーションです!
設定はわかりやすく、ドラゴンは脅威として、バイキングは戦闘民族として描かれていますし、だからこそヒックとトゥース(ドラゴン)の交流のシーンとのコントラストが素晴らしく映えていました!
気を衒った展開は意外と無く、上記の粗筋から想像しうるストーリーが丁寧に演出されるだけなので、ストーリーの新鮮さという点では肩透かしを食う人がいるかもしれません。しかし、王道を丁寧に描いているからこその間違いない面白さがありますし、かなりしっかりと描き切ってくれているな!という満足感もありました!

まず一つにはアニメーションの素晴らしさですね!どこのカットをとっても、画面に訴求力があります。正直、現在3作あるうちの一作目ということでアニメーションにはあまり期待してなかったのですが、昨日公開しました!といわれても違和感がないくらい生き生きとしていて映えるアニメーションでした!人物一人一人が生きているし、動きも単調じゃ無くて面白いです。ドラゴンもよく描けているし、自然やドラゴンの攻撃のエフェクトなども迫力がありました。

二つ目は、トゥースちゃんですね。
爬虫類的で、ドラゴン、驚異、怪物…そんな冒頭から一変、交流を深めていく中で垣間見えるドラゴンの本当の姿…特にトゥースちゃんは、すごく猫っぽい…!!!気まぐれで、愛嬌があって、、、好奇心もあるし、警戒心は強いけど、なつくといろんな面を見せてくれたり

これ猫やん!!!って本当に思いました。調べてませんが、明らかに猫の生態をオマージュしていると思います。
先程はは「本当の姿」と評しましたが、実際には、「新たな一面」って感じです。
かわいいし、ふれあいはあるけど、それでもやっぱり彼らはドラゴンなんですよねー。恐ろしい面もあるし、強いし、誇りもある…

たとえばドラゴンが最初から結構友好的でデレデレだったりとか、一度デレた後はずっとデレデレーとかだったら、ここまで魅力的には映ってなかったと思います!
デレたあとも野生は抜けない、ちゃんとドラゴンのまま、そんな感じがとてもリアルで生物的でめちゃくちゃよかったです!ナイトフューリーかっこいい…!
絶対にみんな好きになるやつや!!と思いました。

第3にはストーリーですね。
結構ベタな展開が続いたりもするのですが、波はあってテンポも良くて色々と飽きさせないプロットです。
ナイトフューリーと交流を始めてから、ドラゴンの生態を知っていって、日常生活にも変化が現れる様を交互に描いていくシークエンスは、一番ワクワクしました!
癖の強いデザインが多い中、ヒロインもそこそこかわいいですし、トゥースに喰われ気味かと思いましたが、きちんとヒロインらしく活躍するので楽しいです。
全体を通して結構しっかりとテーマが描かれていて、あからさまなグロや重すぎる展開はないものの、子供向けすぎない一歩分だけ重めなストーリー、展開、雰囲気が、ディズニーとかとは違った魅力だなと思いました。
かなり好きなのですが、ファミリー向けとしてみるにはボーダーな感じで、小さい子は結構ショックを受ける可能性があるシーンや展開がちょいちょいあるので…
だからこそ濃厚に印象に残るのですが

あとは、アニメ映画にしては結構長いですね!
軽い作品だったらこの辺りで決着がつきそうだ(そうすると大人が見るには物足りないなー)というところからさらに踏み込んでプラスで展開してくれるので、かなり見応えがありますし楽しいです!
キャラデザにはクセがありますが、それ以上に本当に名作に仕上がってます。
あらすじを読んで気になった人はぜひ見てみてほしいです!

余談ですが、ヒックの声、絶対どこかで聞いたことあるぞー!!!と思ったら、キングダムハーツシリーズのピンツでした!!そこかー!
この人の声と喋り方、なんか落ち着くしめっちゃ好きなんですよね!
ヒックとドラゴンが好きな理由の結構な割合占めてるかもです…!笑

ちなみに邦題はそんなに好きじゃないです!
how to trainもそれはそれで微妙ですし日本語訳しにくいですが、、、
そのまま訳すとそれはそれで微妙なので、結果これでよかったのかなぁって思います。

ぜひ気になってる人はご鑑賞ください!
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