かつきよ

エスターのかつきよのレビュー・感想・評価

エスター(2009年製作の映画)
3.7

前に見たことがある映画でしたが、ファーストキルが見たくて再鑑賞。
2回目もゾッとする映画でした。

◆人間怖い系・胸糞系

有名な映画なので説明不要かとも思いますが一応。
こちらは人間怖い系の映画で、孤児院で引き取った謎の多い少女、エスターによって引き起こされる家族の崩壊を描いた作品です。

血飛沫や内臓が出てくるスプラッタ要素はなく、超常や心霊の未知もない、虫やモンスターなどの表現もなく、ここまで残酷な物語を作るのは凄すぎます。
1回目は辛くてほとんどまともに鑑賞できなかったのですが、2回目も思い出すだけでも酷すぎて、、、続編を見るのも怖いです。

エスターという人間の人へのついいり方、脅し方、追い詰め方、全てが常軌を逸していて、主人公ケイトやその子供たちへの仕打ちが、本当に心臓を抉るような残酷さなのです。一つでも思い出したくないような残酷な行動が、しかも怒涛のように繰り返され状況が悪化の一途をたどります。

端的にいってしまえば、胸糞展開が続きます。ラストも、物語として区切りよく終わりはしますが、ハッピーエンドかというと……。
確実な名作なのですが、見る人は確実に選びますので、お気をつけください

◆べらぼうな傑作

しかし、映画としてはもう、べらぼうな傑作であることに間違いはないのです。

劇中のほとんどの出来事がきちんと後半につがなる表現や伏線になっていて、不安に思いながら見る初見はもちろん、エスターの狂気や正体を理解した後、あれってそういうことだったのか、と遡って一つ一つのシーンに思いを馳せるたびに唸り声が出るような鮮やかな構造の映画。

家族の設定や、展開の一つ一つに必然性があり、無駄なシーンがない映画の構造がなんとも鮮やか

内容が、とーってもパンチが効いていてそこばかりが注目されていますが、人間怖い系の映画が大量にある中で、ここまでずっと話題作でいるだけの説得力がある緻密な脚本にも注目です。

展開も息のつく間もなくこれでもかというほどに崩壊していって、止まることを知らないエスターの狂気に驚きが隠せなくなります。どんどん不穏さが加速していく映画のラストには絶句。

気分のいい映画ではないですが、気になる人は見るべき名作なんです!!




【ネタバレあり参考】


https://ciatr.jp/topics/314911
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