「ちょっと」が長いわ!!!!
見終わった後の感想笑
ちょっと思い出しただけって、そういうことかーと見終わった後思いましたが、それは私から言わせていただけましたら「ちょっと」ではないです笑
2人の恋愛関係を中心に、2人と周囲の人間模様を描いていく作品。あまり詳しくいうとネタバレになるので、事前情報はあまり調べないでみて欲しい気はします。どんでん返しとかそういう系ではないのですが、少しユニークな描かれ方でした。
◆かなり高クオリティ
構成に関しては、かなり上手いなと、感じました。
似たような構成の映画を見たことがあるのですが、そちらは「やりたいことはわかるけど……」
状態で兎に角わかりにくく、不親切で、こんな構成にしたのは悪手だなとしか思えませんでした。
今作は、その作品よりもトリッキーなことをやっているのにもかかわらずら情報の取捨や見せかたが徹底して高水準で、非常に見やすかったのでびっくりしました。
少し間違えたら意味のわからないカオスな映画になっていたと思います。
ぼけっとなんとなく見られる映画ではないのですが、これはどういうことだ?と、映画を通して探っていく楽しみがあり、想像が膨らんだり、発見があったり、映像作品としてかなり作り込まれたものを見られた!という満足感がありました。
◆一方で内容は……
何が伝えたかったの?というのが正直な感想。
メッセージはうまく受け取れず……。
メッセージ性が無いわけではなくて、単純に刺さらなかったです。
ありていにいってしまえば、恋愛系。他人の恋愛を見せられることのなにが楽しいのか……?というスタンスの人間には刺さらないと思います。
映画で延々と見せられる「ちょっと」が、主人公にとってどういうものなのか……
自分にも通じるところがあれば、共感性が高まって刺さったりしてたんでしょうか
あとは、恋愛のワクワクドキドキだけを摂取できるエンタメ系の映画ではなかったというのも大きいですね
恋愛におけるすれ違いやままならなさ、もどかしさ、乾燥したリアルな世知辛さ、そんな空気を浴びせられます
結構残酷な映画だなと思いました。
◆クリープハイプ映画
監督は絶対クリープハイプ好き。
あれ、クリープハイプのMV見てるのかな????と思うシーンが二、三箇所ありました。
ボーカルの方もふわっと主人公たちと交流しますし、無視できない存在感があるキャラクタとして物語に組み込まれています。
そんなだけはあって、曲はかっこいいし、演出もオシャレだったり、冴えてます。
クリープハイプ、まともに聞いたのが今回が初めてでしたが、いいなーと思えましたので、ファンならばそんなところも楽しいんじゃ無いでしょうか。
◆猫かわいい!!!
モンジャちゃん、癒し。
◆わりとゆっくりと進んでいく系
展開はしっかりありますが、かなりゆったり丁寧に進んでいきます。淡々とテンポよく進んでいく感じでは無いので、ぬろーっと見るのが吉の映画だと思います。
◆紗莉ちゃん
今回のベスト配役賞。
ハスキーな声、クセになりますね。
第一印象としては「こんな可愛いタクシー運転手いないよ」でした。タクシー運転手という設定と可愛さが自分の中で噛み合わなくて最初は浮いてる感じがしてしまいましたが、最終的には縁起の感じなんかも含めてベストな配役だったと思いました。
◆総評
リアル系の恋愛映画が好きな人にはオススメ
甘酸っぱさ、ままならなさ、どちらも詰まっています
構成としては若干トリッキーですが、魅せ方が計算されていてユニークさという点では個人的には満足感が高かったです。
リアルさの中にも、不思議な雰囲気や独特の空気感があるので、気になる方は見て損がないと思います。
※以下はネタバレ有りでコメントをしていきます
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※ネタバレ有り
⚫︎一年ごとに進んでいく?
前のシーンから急に切り替わるので、一瞬「???」となりました。前情報有りだとこのあたりは「ああ、回想に入ったんだな」とスムーズに思えるのでしょうか
後々この映画の仕掛けに気づくわけですが、まだ画面からどう情報を摂取していいのかわからない手探り感がありました。
⚫︎同じラジオ体操
関係性を匂わせてくる演出
におう、においますよ
⚫︎謎のおじさん
このおじさん、作品を通してインパクトが強すぎました。
未来からの妻を待つ?とはどういうことなのか?頭のいかれたおじさん??
どう関わってくるのかすごく楽しみだったんですが、最後を見た今に至っても、この方の事、どう処理していいのかまだ分かりかねています。
⚫︎理容師さんかっこいい!
⚫︎何これ、クリープハイプ見る映画?となったライブシーン。
曲まるまる聴ける贅沢。これはもう壮大なMVですね。この時点で思いました
⚫︎あ!たかおかさき!
⚫︎成田凌!?俳優豪華、マスターも!!名前出てこないけど!!
バーのお客さんとか、ちょっとした配役がいちいち豪華
⚫︎LINE、猫のアイコン!!2人の関係発覚
関係あったんじゃん!と
⚫︎沙莉の寝顔安らかすぎて死んでるかと思った
⚫︎道祖神に手を合わせなくなった照生
→何かの伏線?とこのじてんでおもいましたが、その理由は後々明らかに
⚫︎照生がクリップを使ってる。
これ、葉ちゃんのクリップ使ってる?きもいなと素直に思いましたが、このクリップがなんなのかは後々判明しましたね
⚫︎こんな察しのいいガキ嫌いだわ
⚫︎葉ちゃんと嫁待ちおじさん関係あったんかい!
⚫︎付き合ってた時に接触してたのかな!
→この答えも後々明らかに
この時点ではまだ未来に進んでいるものだと思ってたんです
⚫︎葉ちゃん、迎えに行った方がいいって言われて迎えにいく
⚫︎あれ?もしかして過去に向かってる!?
⚫︎そういえばマスクしてない……道祖神に手を合わせるようになるのはこの後、クリップ使ってるのも今付き合ってるから?
という、このあなりで過去に向かう物語だとやっと気づきました。マスクしてるしてないの小さな違和感見逃してたけど、すごく納得。
マスクも、してない、おしゃれマスク、アベノマスクと、年を経てリアルに変遷してますね
⚫︎怪我悪化してるんじゃなくて、怪我した直後なんだと気付きます。
⚫︎「変わっても好きなら、今の俺好きじゃないんじゃない?」
うるせー!!!!
照生ぬん、すごい捻くれた事言う。こう言いたくなる気持ち、わからなくもないけど、これは考え方がもう修復不可能で、セリフだけで辛くなりました。
逆名言とはこれ
⚫︎喧嘩の感じがリアル。気分悪い……
他人の優しさとか、愛を受け取れないほど余裕が無いって見苦しいなぁとしみじみ思う
事情はわかるけど
だからって
この映画、過去に行くと言うことは????この後何を見せられるのか考えてその残酷さに戦慄しました
⚫︎「会いたいのに、寝ると一回会えなくなるから
」
かわいすぎる
このセリフ、いただきますね
⚫︎7月26日が記念日だから??
⚫︎ヘアクリップ、葉ちゃんがあげたんだぁꉂ🤣𐤔
キモイとか言ってごめんなさい。元カノのものを勝手に使ってるのかと思ったら、むしろプレゼント紙でした
似合ってないけど……
⚫︎ラジオ体操伏線回収
⚫︎おじさん、月命日だったんだ
頭おかしいおじさんの好感度が少しずつ上がって行く……?
しかしながら、よくよく考えると未来の妻を待っていると言う発言はやっぱりなんなのか、少々ひっかかります。
⚫︎趣味悪……最終的な話別れ方、もう見せられて知っててラブラブなシーン見せられる
⚫︎辛いことに、バカップルなラブラブな感じもリアル
⚫︎「てるおてるおくん、見て!ひとりじめ❤️」
かわいい
⚫︎ケーキべたってつけてそこべろべろする
かわいい
⚫︎記念日?誕生日????
⚫︎また一年前、引っ越し?
⚫︎一年前に出会いがあるな……と思って覚悟をして見ていると
⚫︎葉ちゃんの方がてるおさん好きだったんだ!?
正直かなり衝撃的でした
⚫︎妻待ちおじさんとのファーストコンタクト判明
傘あげる葉ちゃんいい子。本当にいい子
⚫︎奥さんいた!!!!!!!!!!!!!!
妄想じゃない!?
「ようやく会えました」の意味!?!?!?あれ!?
どういうこと!?!?
おじさんだけ過去に遡っている!?まさか、そんなことある!?
⚫︎マスターめちゃいい。はまります
⚫︎運転手「(早くしろ)」
2人でうだうだやってる時間、待たされてる運転手の気持ちになって全然集中できなかったです笑
⚫︎会話の内容から察するに、葉ちゃんと照生はセフレだったってこと?
生々しすぎるんですわ
⚫︎運転手さんうんざりしてるかと思ったら、思ったよりノリノリだし、告白のタイミングで出てってくれるの一番かっこいい。今作のMVPでは?
⚫︎幸せな頃の妻待ちおじさんが見られる
だから、この後の展開知ってると、残酷なんですわ
⚫︎クリープハイプのスルー能力笑
未来の時間軸だと大活躍してたけど、誰にも見られていない路上で歌ってる時代
未来の時間軸、辛いことになる人が多い中でいちばんの成功者では
突然高円寺でムーディーに踊り出す2人に全く動じずに歌を続けるスルー能力が気になりすぎます
やっぱりクリープハイプのMV
⚫︎マスターゲイだったんだ!!笑笑
ここで判明するのすごい
映画として、情報の出し方のバランス、本当に面白いですね
⚫︎ラストに、戦慄
え!?!?うそ
鳥肌
まさかの、葉ちゃん結婚しているという
しかもあいつと!!!ワンナイトだと思ってた
いやいやいやいやいやいや!?と思って、ゾッとしすぎてバッドエンド?とかって思っちゃいましたが、よくよく考えたらハッピーエンドなんだろうなと思いなおしました。物語的な多幸感はないけど、自分を大切にしてくれる人と出会えて……?結局、子供もできて、昔の恋愛をふとした時にちょっと思い出したりする
出会いがドラマチックでなくて、イケメンじゃなくても、自暴自棄になって恋人を攻撃したり対話不能になる人と一緒になるよりもずっと幸せなエンドなんだろうなと。現実ってこうですよね、というような映画に思えます。
見る人によって解釈は違うのかもしれませんが、私は葉ちゃんは過去の恋愛引きずってはないないと思います。本当に、ちょっと思い出しただけ、そのちょっとの方がメインに描かれたのがこの映画なのかなと感じました。
まさかこいつと!?と思い、劇中ではかなり序盤の出来事なので時間が経っているように思えましたが、時系列順で言うと一年前の出来事なので、最近から地続きの出来事なんですね。
葉ちゃんと旦那さんのラストのやりとり、ワンナイトした時と同じですね
こういう細かい意図した演出、丁寧に作られてるなと感心します。
⚫︎見返したくなる映画
映画が終わった後、時系列順にあらためて追いたくなる映画
全部見返したりはしませんでしたが、虫食いで再生していく中でも新たな発見があり、見れば見るほど、なるほど!と感心する映画でございました。
恋人のある一日だけを毎年切り取っていく、という映画はOne dayという作品を見たことがあります。あちらは、個人的にはオチも含めて作品の雰囲気があまりにも悲壮的で趣味が悪いなと感じるほどでしたし、一年ごとの演出も全く効果的ではなく、空白で色々起こったのであろうことが多すぎて、「話飛びすぎ〜」と思ってしまったのが正直な感想でした。
今回の作品は「ちょっと思い出しただけ」というタイトルからしてバランスを取っておりましたし、そのちょっと(同じ日付の遡り)がエッセンシャルだけを抽出していて、余白部分まで鮮やかに想像できる流れるような作風だったと感じております。魅せる映画でした。
同じカットやルーティーンのシーンを入れることで、一年前との違いというものが鮮明になっていく構成、痺れます
⚫︎その他
気づけなかったところもたくさんあると思うのですが
葉ちゃんがのせてた男3人組手間、離婚した!と嘆いていた男性、アパートのシーンで奥さんにお見送りされていた方と一緒でしょうか??
そうだとしたら、そういったサブの部分でも時間の移り変わりを演出してるの本当に芸が細かいなと思います
⚫︎総評
ジャンルとして刺さらなかった、というだけでこの点数ですか、作品としては本当にいい映画でした
このジャンル好きな人には是非みて欲しい一本です