ハマジン

ポール・ニューマンの 女房万歳!のハマジンのレビュー・感想・評価

2.0
郊外在住の子持ち夫婦、地域活動に熱心な妻に対し欲求不満気味の男が、出張ばかりで留守がちの夫にこれまた欲求不満をつのらせた近所の人妻に誘惑をしかけられる、という三角関係。そこに地域の土地が軍事目的(内容は当然機密)で国に買い上げられたというニュースが流れ、米軍対地域住民の諍いが勃発。2つの話が同時並行で語られていく。
激烈につまらなくてびっくりしてしまった。これホントにマッケリー監督作?と思わずパッケージを見返したほど。50年代ロマンティック・コメディの、あのペタッとした独特の原色画面にポール・ニューマンがまったく似合わないことが判明。やっぱり60~70’sニューシネマの役者なんだと思う。
野外劇での植民者&インディアン芝居にチンパンジーと、クライマックスの道具立てはもろにホークスの『モンキー・ビジネス』。あの幼児退行したケイリー・グラントと子供たちとのインディアンごっこくらい凶暴な幼稚さにまで振り切れていればよかったのだが、ギャグが何もかも中途半端で不発に終わる、もはや匙を投げたとしか思えないほどのテキトーっぷり。地域の不良どもが靴先に爆竹を仕込む、というアイデアだけはよかった。
「国が土地を買収した目的は……」という終盤のオチも、実際同時期に米政府が核開発のために自国内の先住民居住区域を買い占めていた歴史を考えれば、その現実を隠蔽するような欺瞞的にぬるいエンディングで最悪。あとラスト、ロケット発射台のスイッチ前で仲直りしようとするニューマンとジョアン・ウッドワードとの取っ組み合いの姿勢が立ちバックにしか見えない。そこも含めた露骨な性的ほのめかしの数々も下品。
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