ハマジン

ディメンシャ13のハマジンのレビュー・感想・評価

ディメンシャ13(1963年製作の映画)
3.0
『サイコ』の○番煎じな題材に無駄なお色気ショット(水中に飛び込むための唐突な下着姿や透け透けのネグリジェ)、威勢のいい首チョンパなど、ロジャー・コーマン印の低予算早撮りスリラー路線に漂う、どこか優雅で格調高いゴシックの香り。長編デビューからしてすでに「作家」をやっているコッポラ。俯瞰やあおりをふんだんに使ったぜいたくなカット割りで、ボート上の男女の不穏な会話を煽るアヴァンタイトルの時点で優勝。水中に沈んでゆくブツ切れのロカビリーがかかった携帯ラジオを追うカメラが、水底の死体をとらえるまでの1ショットが特に冴えわたっている(モンテ・ヘルマン担当とのうわさもあり)。溺死した娘をかたどった蝋人形の顔面を一撃で破壊する即物的なラストショット含め、斧による暴力の重たい質感がしっかりと画面に映っているのもよかった。
ハマジン

ハマジン