ハマジン

拷問の魔人館のハマジンのレビュー・感想・評価

拷問の魔人館(1974年製作の映画)
3.0
インスパイア元とされる『悪魔のいけにえ』よりも、ディケンズやバーネットなどの古き良きイギリス文学の感化院/矯正院/寄宿学校ものに女囚エクスプロイテーション・フィルムをミックスしたような、奇妙に端正な佇まいの映画だった。女看守3人の陰湿で抑圧的なオールドミス感、『小公女』のミス・ミンチンや『レベッカ』のミセス・ダンヴァースとかに近い人物造形な気がするし、ペナルティごとに独房→鞭打ち→絞首刑と、懲罰が段階的手続き踏んでるとこも感化院や寄宿学校っぽさがある。「えっそこ!?」ってタイミングで冒頭の時制に戻るくだりに一瞬ギョッとするのだけど、そこを折り返し点にして、私設刑務所の女囚監禁拷問脱獄話から、女看守長の狂気の原因である過去の過ちをめぐる家族メロドラマに推移していくのが、なかなかクセになる味わい。盲目かつ耄碌状態の元最高裁判事の夫も魅力的なスパイス。
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