幸福はあの星の下にの作品情報・感想・評価

幸福はあの星の下に1956年製作の映画)

製作国:

上映時間:101分

3.6

「幸福はあの星の下に」に投稿された感想・評価

tjr

tjrの感想・評価

3.6
「芸者は社会の害虫」と言い切る久保明の度を越した保守性に乗れるかが鍵。最初の手紙朗読シーンにはマジメすぎと突っ込みたくなる。「麦笛」でも感じたが彼は何となく高良健吾に似ている
見習い芸者・岡田茉莉子がそんな彼を説得しようと工場バックに追いかけるシーンが個人的には本作の白眉。オカマリが登場するだけで画面的に充実する…
KOKO

KOKOの感想・評価

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昼メロ版「流れる」
ということでいいのかな...?

息子くんの苦悩と
岡田さんの跳ねっ返りが
とてもよかった。

ラストカットは、さすが...!
レコードに合わせて日舞の練習をする岡田茉莉子のファーストショットが100点満点。可愛すぎて腰砕け。

岡田のお師匠(岡田は押しかけ弟子)で、岡田と境遇がよく似た新橋芸者の木暮実千代。木暮と一時は戸籍上の姉妹だったほどの幼馴染に花井蘭子。この二人の掛け合い映画と言っても良いほど。

いつも素晴らしい花井蘭子が本作でも最高。軽い感じで木暮に接しながらも心底親身になっているのが伝わる演技はお見事!今のところ私にとって彼女のベストアクトかも。

木暮に上原謙との間の生き別れた息子に会った話をする花井蘭子。本作の、ベストシーン。そのシーンの最後に木暮実千代をしかめっ面みたいなのをするんだけどそれがまた最高!
そしてその話を階段で盗み聞きしていた岡田茉莉子。台詞がないのにバケツを持ったその動きだけで観客の目を奪うのは流石。

岡田茉莉子がズケズケものを言うアプレ見習い芸者で、勝手に木暮の息子に会ったりと余計なことしいなのに、そこはかとなくチャーミングで全くイライラさせないのは彼女の演技力なのか杉江敏男の演出力なのか。いずれにせよ見た目が可愛いだけじゃそうはならない。

一方、そういう役柄とはいえ、息子役の久保明にはイライラさせられっぱなし。本作が苦手という人は恐らく彼が苦手な人に違いない。
病床の母・東郷晴子とのやりとりでのマザコンボーイぶりには鳥肌。あれは明らかに過剰演出でしょう。

かと思えば、ずっと 病弱だった東郷晴子が死んで、上原謙に「ボクに遠慮しないで、若くて健康な人が良いのでは?(後妻に)」と言ってみたり(この会話があったのが、東郷晴子の死後すぐのように見えたのも違和感)。

久保明が「芸者は害虫だ!」と自分の出自を知りつつ言うのにはイライラさせられるものの、やはり胸が痛くなる。この部分にほんのもう少し救いが欲しかったような…。

清川玉枝が「芸術、芸術って芸者の芸に術つけたりして、丸く収まるものも収まらなくなるじゃないか」とか、よく分からないけど江戸っ子らしいスーッとしたことを言うのは気持ち良かった。

彼女を始め、花井蘭子のヒモ(?)で画家の伊豆肇、木暮にハンバーグの焼き方を教えるばあや役の三好栄子とか脇の俳優たちも素晴らしい。悪いのは久保明と江原たつよしの高校生コンビのみ。大根・上原謙は別格。

とにかく埋もれた名作に相応しいメロドラマで大満足でした。

*岡田茉莉子が冗談を言ったあと、自分でも笑いそうになって明らかに笑うのを我慢しながら演技を続けているシーンが凄く良かったんですが、どんな冗談を言ったのかをド忘れ。覚えている方、教えてください…。