馬井太郎

ハード キャンディの馬井太郎のレビュー・感想・評価

ハード キャンディ(2005年製作の映画)
3.9
映画チャンネルを合わせたら、たまたま、まさしく今から始まるところだった。

信条とはオーバーかもしれないが、映画でも舞台劇でも、始まるまでは大きな期待感を抱かないことにきめている。どんなに前評判が良くても、絶対ではない。評論家の主観だから、そんなものに惑わされたくない、といつも頑なにキープしている。
そんなエゴ扉が開かれて、その世界にどっぷりはまりこまれてしまうと、その喜びは、途轍もなく大きな満足感に変わっていく。
どこにでもいるような可愛いマスクの腰軽娘(に見えた):エレン・ペイジを、まんまと引っかけたプレイボーイ(誰の眼にも):パトリック・ウイルソンは、家に連れ込んだ成功はよかったが、やがて、彼女の驚くべき変貌に、底なし沼にはまったような恐怖を味わうことになる。誘いたくなることを抑えきれないほどの彼女の美貌だからこそ、それは倍加されたとも云えるだろう。
宝くじの大金当選が一度もないと同じくらい、若かりし頃のナンパ成功率ゼロの小生には、「パトリックよ、ザマあー見ろ」と手を叩きたいが、そんなことを言ってはならない。人生、「ナンパ」がすべてではないぞ。いつ、自分に回ってくるか、わからない。
・・・ああー、映画って、いいなぁ。(何を言ってるのか、わからないぞ)。