新潟の映画野郎らりほう

ラスト、コーションの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

ラスト、コーション(2007年製作の映画)
5.0
【大河たゆたう小さき一葉】


青春期の潔癖な理念と 演劇延長の抵抗活動は 浅薄無力に帰し、若者はアイデンティティーを失する。 演劇とゆうモチーフは[体制が強いた時代とゆうシナリオ]を意味し 脚本の様に真自己無き事への暗喩である。
その体制側にも恐怖が大きく真自己なぞ無き事を 静穏と激情を湛えたレオン中に見る事が出来る…。
多くのモチーフを全て機能した上でアイデンティティーを取り戻す者と失う者を 悲劇的男女の哀話へと綴りゆく。

[心と体の生死]=真逆にして対極な二者が共に悲劇的位置に着地してゆく ~ 終局で刻を告げる鐘はアイデンティティーの死を意味する鎮魂の鐘か ~ 大河に翻弄される一葉の如く、時代は強く人は儚い ~ かくも時代は残酷なのか…。




《劇場観賞》