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サブウェイ123 激突のabeeのレビュー・感想・評価

サブウェイ123 激突(2009年製作の映画)
3.8
【ぼってりお腹に詰まっているのは正義感と勇気です。】

お馴染みのトニー・スコット監督です。

多分何年か前に一回観てましたね。でもほぼ覚えていませんでしたので初見みたいなもんです。

冒頭から観客をかっちょいい映像で煽りまくるトニー・スコット。この作品の次に発表された「アンストッパブル」は引き続き鉄道ものになりますが、この作品はとにかくカッコつけすぎの映像がちょっと疲れる。

トニー・スコットの作品ではよく見られるカメラワークですが、カメラがぐいーーんと動き別角度の映像に切り替わる。これを早送りで見せてスタイリッシュな作品に仕上げてますが、多用しすぎかな?
また、警察の輸送車の現在位置を地図で分かり易く見せるのも、同じようにカッコつけすぎる映像で逆に分かりにくく疲れる。

うーーん。ジレンマ…
彼の映像や編集の仕方が好みだからこそねーー。

脚本は先に話した「アンストッパブル」に通じるものがあって、スピード感とテンポ感を活かした構成になってます。制限時間1時間という時間を「映画時間」のテンポで進めることなく、きっちり現実時間で進めるので緊迫感もある。

一般企業である「地下鉄」に勤めるデンゼル・ワシントンはいつものシュッとしたスタイルではなくぼてっとしたメタボ体型の社員。
しかし、そのお腹の中に詰まっているのは皮下脂肪でも内臓脂肪でもなく、やはり正義感と勇気なのですなぁ。
安定感です。

近頃お目にかかることの少ないジョン・トラボルタは相変わらず不思議な髪型ですが、キレてる役が板についていますね。
デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタが左右違う耳にピアスをしているのですが、それがこの2人を対照的な人物として表現しているのかなと思いつつ、ジョン・トラボルタはゲイという裏設定があるのかしら、なんて想像力が膨らみますね。
喋り方もそんな感じに思えたり。

2時間に満たない見易さMAXな作品ですが、それでも登場人物たちのバックボーンや人質である乗客の設定まで見せてくれる、細かいところまで作り込む監督なんだなと改めて感じたところです。

ちょっと出木杉くんな展開は気になりましたが、おバカさんたちがいい具合にやらかしてくれたり、おバカさんだと思ってた人が結構な切れ者だったり、登場人物たち全ての魅力が存分に発揮されていてそれなりに楽しめる作品でした。
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