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エルヴィスのabeeのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.6
【誰がキングを殺したのか】

先月レッド・ホット・チリペッパーズの大阪公演に行ってきました。
チケット争奪戦に敗れてしまい諦めていたのですが、馬鹿高い追加席のチケットを購入して行きました。
YouTubeで昨年のライブ映像とかいくつか観て「あぁ、やっぱ歳には勝てんのかな。正直あんまりパフォーマンス良くないな、、」「まぁいっか、行けなくても」なんて思っちゃったのですが、、
でも最初で最後のレッチリは2011年のサマソニ‼︎
あの時はジョンがいなかった‼︎
ジョンに会いたい‼︎

¥18,500払って1番後ろの立ち見席、背伸びしてかろうじてステージが見えるくらい最悪のチケット。
それでも人生で最高のライブだったと思いました。
本当に行って良かった。
事前に観てたパフォーマンスは10年後のものじゃないかと思うほどにキレッキレでした‼︎
10年後におんなじパフォーマンスをされたら、いつフリーが腰の骨を折るか、ビクビクしながら見ることになると思うので、5年以内には再来日して欲しい。
私は次はプレミアム席でレッチリのライブを観るために貯金をしようと思いました!
今月はスティングのライブに行きます‼︎


やはり音楽は素晴らしい‼︎
映画を観るのも大好きだけど、やっぱり音楽に対抗できるエンターテイメントは無い。

ゴスペルやブルースといったブラックミュージックを起源に持つエルヴィス、同じくブラックミュージックを起源に持つファンクの影響を大きく受けたレッチリ、ちょっと似てる気がしてこんな話から始めてみました。
基本的にバズ・ラーマン監督の作品は好きです。

ちょっと焦点が定まらない作品でした。
そもそも主役は誰か、っていう問題があります。
エルヴィス・プレスリーなのかパーカー大佐なのか。
もちろんプレスリーだと思うのですが、パーカー大佐の視点で物語が進みすぎだと思う。パーカー大佐の語りで物語が進むため、どうしても彼の視点が多くなる。プレスリーが何を考えているのか、彼の心情が分かりにくかった。全部が客観的すぎる。

そもそもプレスリーは昔のアーティストすぎて、曲といえば「監獄ロック」と「ラブ・ミー・テンダー」くらいしか知らない。作中にも描かれていましたが、アメリカとカナダでしか公演したことが無いらしいので、意外と本国以外には馴染みのないアーティストなのかもしれません。
何かの番組で、大量のピーナッツバターを塗ったトーストにバターでカリッカリに焼いたベーコンをのせて、更に大量のメープルシロップをかけて食べるのが好きだったせいで晩年めっちゃ太ってたと言っていたのを覚えています。
私の中のプレスリーのイメージは「ピーナッツバターおじさん」です。

思い入れが無いので更にしょうがないのかも知れないのですが、プレスリーのパーソナリティがいまいち分からなかったのです。
近年アーティストの伝記物の作品がたくさん作られている中、本作の大きな違いはそこが伝わってこなかったことでしょうか?
人気者であるが故の孤独とかそういった部分が。
もしかしたらあんまり自分のことを話さない人だったのかも知れません。逆にパーカー大佐は自分のことを良く喋る人だったのでしょうね。パーカー大佐の人物像はよく表現されてました。
これは意図的な可能性もありますが。よく分からないものは神秘的に見えますからね。

ということで、エルヴィス・プレスリーは本当にこの世界に存在したのだろうか?と思うほどに彼が何者だったのか分からなかった作品。
バズ・ラーマンとは相性の良いテーマだったと思います。
パフォーマンスシーンはどれも迫力があって凄く良かった。
特に最初のパフォーマンスシーンが最高だったので、あそこだけもう一回観たいくらいです。


余談。
レッチリのライブに行ったことで4月のクラプトンのライブも行きたくてしょうがない。
レッチリも心の奥底ではこれが最後かもと思ってます。
私は歳の割に音楽の趣味がやっぱりちょっと古いので、今度こそクラプトンを生で観るのは最後になるかも知れないと思いながらも東京まで遠征するほど今豊かではない。
あぁ、行きたい、、
abee

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