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おもちゃの国のharuのレビュー・感想・評価

おもちゃの国(2007年製作の映画)
4.5
10分で泣かされました。

ユダヤ人の親友を追って、強制収容所へ行ってしまった幼い息子を探す母親の覚悟。

幼い子どもたちは、この恐ろしい現実を知らない。大人たちが真実を伝えないのは、たとえ極限状態であっても、夢や希望を失ってほしくないからというよりは、大人でさえ理解できないことを、子どもたちにどう説明すれば良いのかわからないからだと思う。だからハインリヒの母親は、明日連行される隣のユダヤ人一家の行き先について、幼い息子に「おもちゃの国」だと嘘を吐く。
「ライフイズビューティフル」の父親と同じく、ハインリヒの母親も息子に現実を見せまいとする。あるいは見せたところで「縞模様のパジャマの少年」のように、幼い息子は理解できないかもしれない。
そして生まれた悲劇から覚悟を決めた母親の強さはもちろん素晴らしいんですが、デビッドの決意がとんでもなく壮絶。まだ小さいのに、あの決断は大人でもなかなかできません。
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