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ギャング・オブ・ニューヨークのabeeのレビュー・感想・評価

3.8
【five points of authority】

1850年代のニューヨーク。
移民達のスラム街「ファイブ・ポインツ」を舞台にネイティブギャングとアイルランド系ギャングの抗争を描いた歴史ドラマ。

レンタルショップに行って、「さぁ何を観ようか」とブラブラっと棚を見ていきますよね。
大体1回のレンタルで5枚借りるんですけど、どうせなら雰囲気、ジャンルは偏らないようにしようと最近は思います。
今年はレオさまの作品を観ようと決めていたので1枚はレオさまの出演作を手にとったのですが、後から気がつくとスコセッシの作品ばっかり持ってたんですねぇ…
先日レビューした「沈黙ーサイレンスー」、本作、そして「ケープ・フィアー」。気づいたとき「しまった。」と思い、そーーっと「ケープ・フィアー」は棚に戻しました。
別に観てもいいじゃないか。
スコセッシばっかり。

そして本作ですが、高校生のころに一度観ています。
アメリカ生まれの人間が徒党を組んだ「ネイティブ・アメリカンズ」とアイルランド移民の徒党「デッド・ラビッツ」の抗争を描いた作品ですが、史実に忠実に描かれています。

「ファイブポインツ」といえば今ではグラフィック・アートの聖地のイメージが強いですがこの作品で登場する「ファイブポインツ」は全くの別物みたいです。

ラストには現在のニューヨークの姿が映り対比することでノスタルジックな気分になります。

史実を元にしている割にエンタメ要素も強いですし、長尺ながら全体的に飽きることなく鑑賞できる。
根っからの悪人というものは登場せず、生まれた場所で正義は形を変える。「勝者こそが正義」である、という考えに基づき戦い続ける男たちの物語は個人的にはとても好み。

なのですが、残念なのはキャメロン・ディアスの存在でした。
やっぱりこの人は何を演じていても良くも悪くもキャメロン・ディアス。
コメディエンヌのイメージを終始払拭できぬままでその存在に違和感ありありでした。

エンディングにU2が起用されるというのは内容に沿ったチョイスで最高でしたねぇ。

ということでほぼ何もレビューしてませんが、歴史ものとしてはエンタメ性の強さからとても観やすくてどなたにでもおススメし易い作品です。
冒頭に描かれているネイティブ・アメリカンズvsデッド・ラビッツの戦いの雪の降り積もる「ファイブポインツ」が血に染まる情景など、画としても最高に美しくその美術面の完成度の高さは秀逸です。

以前、私はスコセッシ作品と相性が悪い、などと言っていましたが、気づくと悪い作品の方が少なくなってきました。
訂正。
スコセッシ作品面白い。
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