土砂降りの雨の日に、川本信夫は少年院を出た。更生を誓って出所したものの川本を迎えた郷里の炭鉱地は、すっかり廃城となり、無残な姿をさらしていた。荒れはてた川本の家では、父親は出かせぎに行った…
>>続きを読む東京・新宿署の刑事、原田は洋裁学校に通う妹の典子と二人、都会の片隅のアパートで暮らしていた。
1969年の冬のある日、高校3年生の薫は全くついていなかった。東大入試が中止になり、ひどい風邪をひき、足の爪をはがし、愛犬が死んだのだ。彼は幼馴染みの由美に電話するが、些細なことから電話を…
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