山岳トレーニングに参加することになったインドア系の少年の成長を描いた「グーニーズ」や「ストレンジャー・シングス」のショーン・オースティンとケヴィン・ベーコン主演のアドベンチャー。

ショーン演じる少年は他の参加者の少年達と比べると行動が遅く不器用（自分も似たタイプなので思わず感情移入）。ケヴィン演じる彼らのコーチは（困難を克服するとちゃんと褒めてくれるものの）大自然の厳しさを教えてやると言わんばかりに少年を置いてきぼりにしたり嵐が来ればあえて居なくなったりとスパルタ系で、一見冷静そうに見えて狂気が見え隠れするケヴィンの演技の上手さに注目。

困難を通じて次第に仲を深める少年達とコーチの間にだんだんと溝ができ、ある衝突がきっかけでコーチは崖から転落・・というの展開で、不安定な橋渡りから岩から岩への移動等どれも定番ながらスリリングで、ケヴィンにとっては「激流」(1994)よりも数年早く序盤と終盤でカヌーで川下りを披露しています。

この川下りはCGは勿論おそらく合成も使っておらず、ケヴィンやショーン達本人が実際にカヌーに乗ってるように見えればカメラに水滴がついてたり川まで伸びた木々に衝突したような映像も有ったりと、臨場感溢れるもので一見の価値ありかも。序盤ではケヴィンがリードしショーンが恐れおののく姿勢を見せるも、終盤ではその姿勢が逆転するのもカタルシス有り。

挿入歌にはジャーニー「Be Good To Yourself」、ブルース・ホーンズビー＆ザ・レインジ「Wild Frontier」、カッティング・クルー「Life in a Dangerous Time」、ザ・カルト（！）の「Aphrodisiac Jacket」等当時の売れっ子達の既存の曲が多く使われていますが、今作の為に作られたと思われる曲の中ではイングウェイ・マルムスティーンのボーカルだったマーク・ボールズの「Restless Heart」がなかなか格好良い一曲。

　理系でインドア派の少年アランは、父親の半ば無理やりな勧めでキャンプに参加する羽目に。キャンプ指導員の青年ビクに引きつられ、アランと他3名の少年らは山奥へ。
　都会育ちの少年たちに厳しい洗礼を与える大自然。そしてビクの行き過ぎとも思える厳しい指導。特にアランに対しては、チェスで負けた腹いせなのか、やたらときつく当たるビク。そしてついに我慢の限界に達したアランが山を下りると言い出す。その発言に感化されるほかの少年たち。彼らを止めようとするビク。そしてこの衝突が思いもよらない事故を引き起こす……。

　ケヴィン・ベーコンとショーン・アスティンが共演したサバイバルもの。
　単なるサバイバルアクションにとどまらず、少年たちの成長を描くドラマでもある。

　『グーニーズ』では喘息持ちでありながら、積極的に冒険するマイキーを演じていたショーン・アスティンが、本作ではある意味正反対のキャラを演じている。ケヴィン・ベーコン演じるビクの鬼教官ぶりも見どころ。

　アメリカやニュージーランドでのオールロケで撮影されただけあって、息をのむ景色の数々を堪能できるし、リアリティも十分。片足分の幅しかない、不安定な吊り橋を渡るシーンはハラハラするし、特にクライマックスの急流下りは迫力満点。手元の資料によると、何とこのシーン、トータルで22隻のカヌーを壊し、1年の歳月をかけて撮影されたという。そして、このシーンでのショーン・アスティンの恐怖に震える表情は、演技じゃなくて本気で怖がっていたらしい。いやあ、頑張ったな。

ケヴィン、若ぇー！！

この当時29歳。若く見えますなあ。

VHSパッケージに「非道なスパルタ山岳講師」的なことが書いてあるから「ィヨッ！ベーコン屋！」と期待して見てみたら、あらあらどっこい星座を語っちゃったり、カヌーを乗りこなしちゃったり、なんともサワヤカな、少年たちのアニキ的自然のヒーローじゃないか？
…と思いきや、そこはやっぱり安心と信頼のケヴィンである。
おれたちの期待をヤツは決して裏切らない！
後年あの変態の頂きに至る予感を、ナチュラルボーンHENTAIの頭角を(？)、この頃からメキメキと表していたのであった。

あんな濡れそぼった姿で「俺を信じろ！」なんて言われちゃあ、もうおじちゃん…おじちゃん飴ちゃんあげちゃう！
壷だって買うしラッセンだって買っちゃう。
聖書の勉強会だって行っちゃう。