しぇんみん

レイヤー・ケーキのしぇんみんのレビュー・感想・評価

レイヤー・ケーキ(2004年製作の映画)
3.8
裏社会は層を為すショートケーキのごとし。

名もなき麻薬ディーラーXXXX。

少しばかり懐が温まった彼は、潔く裏社会から足を洗おうとしていた。

そんな彼のもとに訳アリの2つの仕事が舞い込む。

それは「身元の怪しい地方組織との麻薬取引」と「大物マフィアの娘の捜索」。

数少ない仲間と計画通り仕事を進めようとしたXXXXだったが、思うようにことは進まない。

殺し屋から命を狙われ、更にボスの秘密を知ってしまったXXXXは、果たしてこの難局を乗り切れるのか...。

マシュー・ヴォーン監督の初監督作。

期待したアクションは少なかったが、緊迫の展開とどことなくユーモアを醸し出す物語はスタイリッシュで、非常に好みの作品だった。

ダニエル・クレイグ演じるXXXXは、裏社会において独自のルールで基づいて活動し、小物ながらも実に優雅で粋な存在感だ。

彼が面倒なことに巻き込まれ、そんな最悪の厳しい状況をどのように乗り切り、悪事から足を洗えるのかが見どころだ。

一番大物だと思っていた自分のボスが、実はより上層の裏社会ではあくまで小物だという事実。

美味しそうなホールケーキの上に鎮座しているイチゴやメロンだと思っていた物が、見た目は同じでも実はスポンジケーキに挟まれた細切れの果物でしかないという皮肉は、とても面白い。

何とかラストまで辿り着いた主人公を待つものは何か。

是非とも自分の目で確かめてほしい。

ハナマル!

2020/04/12
しぇんみん

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