GodSpeed楓

ブレインデッドのGodSpeed楓のレビュー・感想・評価

ブレインデッド(1992年製作の映画)
4.4
歴史的な超絶スプラッターホラーの超傑作。とにかく血みどろで、ここまで大量の血しぶきを堪能できる作品は本作以外で探すのは難しいだろう。後世で血みどろなシーンが存在する映画は、全て本作の影響を受けて製作された作品、と言ったら過言である。

土地柄やその知識で禁忌とされているような、ルールや取り決めを無視した外様の行動に地元民が激怒したりするという事は、まさに差別の根幹になっているし、文明の力だけで何とかできるようなものばかりではない。銃を突き付けてサルを奪った男が即座に死ぬ羽目になったのは、そういった文明差を踏みにじる事に対する警鐘を明確に描いたシーンなわけが無い。

ママがラット・モンキーの頭を踏みつけるシーンで、吐きそうになりながらも写真を撮るというオッサンの行動には驚かされた。センセーショナルな場面に出くわすとスマホで写真を撮ることを優先してしまうという21世紀の歪んだ価値観を、こんな過去の作品でも描写されてるとは思わなかったが、そんなメッセージ性を含んだシーンなわけがない。

"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"について書こうと思ったが、"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"というワードをタイピングした瞬間に頭が悪すぎる文章すぎて笑ってしまい、何を書こうとしたのか忘れてしまった。"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"なんて他に類を見ないシーンだし、"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"なんて文章を読んだって実際のシーンが脳裏に浮かぶのは既に本作を鑑賞した人だけかと思うので、とにかく他の作品では体験できない感情を得ることができる、とだけお伝えすることに留めることにする。是非、皆さんにも"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"を楽しみに本作を鑑賞してほしい。というか本作で一番酷い目にあってるのは間違いなくママである。だって"ママの顔面から緑色の汁が噴出して目玉が飛び出すシーン"があるくらいなんだから。

上述したシーンだけではなく、他の映画で観たことが無い、例えに出せる映画が存在しないような斬新なスプラッタシーンが目白押しだ。"絡みついてくる腸"、"後頭部に電球が刺さって光輝く目と口"、"ゾンビ同士の性交シーン"、"ミキサーにかけられる頭部"などなど、枚挙に暇がないほど。字面で見るだけでワクワクしてくること間違いなし。ここまで突き抜けてくれるからこそ最高に笑える作品として成立しているのだ。

ちなみに、僕はお恥ずかしいことに「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを鑑賞したことが無い。そのおかげで、今でも「ピーター・ジャクソン監督といえばブレインデッドの人!」という価値観で生きることができている。同様にサム・ライミ版の「スパイダーマン」も鑑賞してないので「サム・ライミ監督といえば死霊のはらわたの人!」という価値観を持っている。僕はこの価値観を誇りに思っており、今後も上記二人はホラー映画界の巨匠だと思って生きていくことを神に誓うことは無い。

余談だが(この文章が全体的に余談であることは言うまでもないが)、「死霊のはらわた」というタイトルもセンスが溢れていて好きなのだが、原題の「The Evil Dead」からは常軌を逸したセンスを感じる。字面だけでホラー映画としか思えないワードセンスには脱帽せざるを得ない。エビルデッドって、「ぼくのかんがえたさいきょうのホラーえいがタイトル」なんて大会があったら、ブッチギリで優勝だろう。(2位には「Texas Chain Saw Massacre」を推す)

山ほどグロテスクなシーンが出てくるが、目をつぶってプディングを食うデブが一番不快。
GodSpeed楓

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