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フェノミナのHKのレビュー・感想・評価

フェノミナ(1985年製作の映画)
4.0
たまたま出会ったフランコ・フェリーニにオリジナル脚本を読んで欲しいと言われたアルジェントだったが自分が考えた話しか興味ないね!と伝えて一緒に書こうと誘った。アメリカの精神分裂患者が昆虫と意思疎通出来る能力を持っていると報じた新聞記事を目にしていたアルジェントは、フランスで警察が科学者に協力を求めて昆虫を使って殺人事件を解決したという話をラジオで聴き、ユリイカ!ここからはじめよう、とアルジェントから手渡された法医昆虫学の本(仏語)を一生懸命に読んだフェリーニだったが、そこには死亡時期が特定出来るということしか書いておらず、虫→自然→スイス→寄宿学校→少女、という具合にアルジェントと連想ゲームのように話を膨らませると、ヤケクソで車椅子の昆虫学者など登場させて(当初タイトルは『殺人猿』だった)脚本は完成した。ところでフェリーニがアルジェントに自作の脚本を読んで欲しかったのは、アルジェントが有名人だったこともあるが、それよりもアルジェントの協働者、この映画にも女教師役で出演しているダリア・ニコロディを尊敬していたからだと言う。しかしアルジェントとニコロディは当時、険悪な状態でアルジェントは劇中、彼女をチンパンジーに襲わせたりして(ニコロディが狂ったようなのは、だから演技ではない!)協働者としての関係は丁度、終わったところだった。本作を機にアルジェントはフェリーニと組むことになるが、ブルーレイの特典映像でニコロディはこの脚本について語っている。「まったく酷いもので、ダリオはこの映画から下り坂よ」フェリーニはキツイ一撃を食らった。
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