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ユナイテッド93のRのレビュー・感想・評価

ユナイテッド93(2006年製作の映画)
4.9
すすすすすすごすぎる!!! 最初から最後まですさまじい緊張感! ドキドキしすぎて、お股フワフワ、呼吸しづらくなって、ゲロ吐きそうになった。座って見続けてるのがつらかった。緊張を握りしめすぎたこぶしの中爪が突き刺さった。そして、終盤はただただ祈りまくってた。まさに忘我、没頭、とんでもない傑作! 2001.9.11. 全世界の人々にとって忘れられない1日となったその日、4人のイスラム教徒が何やら準備を終え、お祈りをして、航空機ユナイテッド93便に、多数の乗客と共に搭乗する。初めて見たときは、いつもの日常どおりワイワイ飛行機に乗って来た何の変哲もないふつうの人たちが、みんな助かるのか、貿易センタービルに突っ込んでいくのか、知らなかったんやけど、テロに巻き込まれることだけは当然分かってたので、最初からとにかく心がざわざわ。2カ所の航空管制センター、空軍基地、93便の中、の4カ所を目まぐるしく切り返しながら、あの日起こったことが再現される。いくつか連絡の途絶えていた民間航空機が、いずれもハイジャックされてることが判明。それぞれの基地で、状況や情報を叫び、対応に急ぐ人々。混乱。焦燥。不安。何とか現状をつかみ、手だてを講じようと真剣に取り組む彼らが、動きを止め、言葉を失い、目を疑う、ツインタワーの映像。飛行機が突っ込んでいったとのウソみたいな情報、まさか、そんなはずが……その数分後、目の前で2機目のジェット機がもう一方のビルに突っ込んでいく。このシーンの衝撃は、実際、リアルタイムでこの映像を見たときの、え?これCGじゃなくて?え?リアル?ってにわかには信じられず、心の底に恐怖と絶望と戦争の予感が湧き上がってきたあの日感じた胸騒ぎが蘇える。このシーンはホント具合悪くなる。で、後半は、実際93便の機内で起こった(であろう)出来事が中心に展開。今回見るの3回目で、オチは知ってるのに、心臓のバクバクが止まらず。乗客たちのパニックと不安と恐怖がこっちに移ってしまうものすごい臨場感。機内電話で身内に連絡して、さっき飛行機がツインタワーに激突したと聞いたときの乗客たちの気持ちを想像すると、胃がキリキリする。ひょっとしたら自分たちの飛行機も…。うわーーーーーー。うわわわわ。おえーーー。マジで居ても立っても居られない。そして、そこで彼らが取った行動とは…全編、主人公的な存在なしで、ドラマチックなバイアスをできるだけかけることをせず、事実を可能な限り忠実に再現しようとする真摯さがひしひしと伝わってくる演出で、テロリスト達を一方的な悪として描いてないところもすごく印象的。そのため、テロリストたちが誤った信仰心に駆り立てられてアッラーへの忠誠を言い聞かせてる姿とか、そっち側に対する心苦しさも加わって、オレのハートはぐちゃぐちゃだ。彼らだって、ほんとはすごく真面目で純粋で、裏で何か企んでるとかじゃぜんぜんないんやから。間違ったものを信じることの恐ろしさ、悲しさ、やるせなさ、それすらも感じさせる映画になってる。何もかもがあまりにも悲惨すぎる。ノンストップで烈しいドキドキが最後まで続くので、終わったあとはグッタリ、やっと終わった、という解放感に脱力。そして、最後の字幕に心が震えます。この事実の重み。何ということだ。なお、本作を見る前に華氏911というドキュメンタリーを見てると、本作では描かれていない、前半の緊張の裏で、何が起こっていたかが分かり、これまたエグみが増して、よろしいのではないかと思われます。あとBlu-rayについてる映像特典も素晴らしいので是非多くの人に見てみていただきたい。こういった映画を見るたびに思うんやけど、人っていつ何時命に関わるとんでもない事件や事故に巻き込まれるかわからへんわけやん。しかも起こってしまったら元の状態を取り戻すことは永遠にできない。だから、愛してる人には、どれだけ愛を表現しても表現し過ぎということはないと思うし、用心に用心を重ねるのってすごく大切だと思うんよね。これからもそれを忘れずに生きていきたい。
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