真っ黒こげ太郎

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

4.0
最後にしてある意味一番カーレースを真正面から取り扱ってるゾ!

日本文化は真面目に扱ってないって?それは何時もの事だ。w




車が生きがいの高校生、ショーン・ボズウェルはジョックの挑発から始めたストリートレースで車を大破し、警察に補導されてしまう。
何度も同じような事を起こしてきたショーンは母親からも見放され、少年院送りを避けるために日本の東京に住む父と共に住むことになった。

例によって何処かヘンな異文化交流に四苦八苦するショーン。
そんな中、高校で出会った留学生のトゥインキーの誘いで、夜の駐車場で行われているドリフトバトルに案内される。
そこで「D.K.(ド○キー・コング…ではなくウ○チー・コング…でもなくドリフト・キング)」の意名を持つタカシにイチャモンをつけられ、ショーンは勢い任せなままにドリフトバトルに参加してしまう。
メカニックのハン・ルーなる男が貸してくれた車で勝負に挑むが、ドリフトを知らなかったショーンは車を大破し敗北してしまう。

だが、ショーンの中に何かを見出したハンは、彼を舎弟にしドリフトの技術をみっちり叩き込むのだった。
そしてショーンはドリフトレーサーとしてめきめき頭角を現してゆく。

そんなこんなで、青春を謳歌していたのだが、ハンが下剋上の為にタカシの叔父であるヤクザの組長カマタの上納金を少しずつ着服していた事から大騒動に発展してしまう!!!
更に騒動の中で巻き起こったチェイスで、ハンが事故で命を落としてしまう。

ショーンは、全てに決着を付けるために組長カマタの元へ向かうのだった。




日本に転校してきた高校生レーサーが、ドリフトの腕を磨きライバルに戦いを挑む、青春・カーアクション映画。
ようここから巻き返して超人気作になったなぁ!って思うほどの人気作、カーアクション映画シリーズ「ワイルド・スピード」の3作目。

恐らくシリーズ史上、最も真面目にカーレースを扱っている作品だと思われる。
(そしてある意味、今一番注目されている人気キャラの登場回でもある。w)
次回からムチャクチャの扉が緩やかに開くことになるので、今作で真面目にストリートレースを取り扱うのは最後となる。

今作で主演が完全チェンジして、全く別の主人公の話になってしもうた。
舞台も日本となり、完全にこれまでとは独立した一作となった。
最も、後のナンバリングで今作が時系列に組み込まれることになるが。



今作、シリーズ内でも特に浮いた存在になってるからかシリーズの中ではあまり評判が良くないみたい…。

まぁ、確かに不評になるのは分からなくもない。
主人公が何処の馬の骨かも分からぬチャラ男だし、最終的にはヤクザの人便りなのもどうかと思うし、ツッコミ所も満載だ。
この手の映画で徹底するべき勘違い日本文化の描き方も半端な気がする。
(まぁ、俺が「リトルトウキョー殺人課」や「悪魔の毒々モンスター東京へ行く」みたいな勘違い日本文化を極めまくった映画ばかり見てるからこう思うだけかもしれんが…。)



自分も以前見た時は「う~ん…」って感じでした…、が見直してみたら案外悪くないと思った。
少なくとも前作の平凡気味な内容よりは見どころも多くて、楽しめた。(個人的には)

ストーリー自体はベタで、引っ越してきたばかりの青年がライバルに負けた後、師匠と出会い修行して成長したり、すったもんだの末にライバルを倒す、カーレース版の「ベスト・キッド」みたいなお話。
主人公と師匠の友情物語は案外悪くないし、特訓シーンもまぁまぁベタではあるが好きだ。
クライマックスに憎き宿敵と大バトルする展開も純粋に燃える。

カーアクションはドリフト主体で地味…と思いきや以外にもエネルギッシュで迫力アリ。
クライマックスが見ずらくなるの残念だが中盤のきらびやかな街でのカーチェイスや、ドリフトの特訓とかは楽しく見れましたね。



後、シリーズを一度通しで見てハンに何が起こったかを知っていると、ハンの何処か寂しげな表情が実に染みる。


「証明できるのは速さだけだ、もっと何か大切な目的が無きゃ…走る意味が無い。」

(日本に来た理由を問われて)
「昔の西部劇と一緒だよ…。カウボーイは逃げて国境を超えるだろ?ここは俺のメキシコだ。」

(何故車を貸した&壊すと分かっていたのではと問われて)
「俺が今欲しいのは信用できる奴だ、心を開けるヤツかどうか見抜くのは難しい。車一台潰してそいつの真価が分かるなら惜しくもなんともない。」


正直言って最近起こった”#JusticeForHan”騒動は「どうせワイスピだから生き返るでしょwww」と鼻ほじりながら笑って見ていた。
しかし、本作と「EURO」~「SKY」を繋ぐミッシングリンクを知ると、そりゃあ仇敵が生きていてベジータチックになぁなぁで仲間になるのは不満出るよなって思った。
実際制作陣や主演俳優の方々(仇敵役の人ですらも)も気にしまくってたんだし、何と言うかマッチョ以外の人を軽んじていた自分を猛省。

(正直、あの時はガル・ガドットさんの事はアウトオブ眼中だった(「ワンダーウーマン」とかも見てなかった)ので、どうやって退場したのか忘れてしまった…。後の再鑑賞でチェックしなければ。)


そんなこんなで珍品扱いされつつある作品だが、カーアクションは俺でも唸らされる程良く出来てたし、何だかんだで貴重なシリーズの一作には変わりないので、勘違い日本を笑うつもりで見直してみませんか?今作。
まぁ、どうしても合わんかったら…せめてハンの場面位は覚えておいてくれ。w



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次回、壮絶なサーガの幕が少しづつ幕を開けます。
ご期待ください。