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アポロ13のabeeのレビュー・感想・評価

アポロ13(1995年製作の映画)
3.8
【変わる景色に迷う時 微かな音が確かに響く
消える景色のその中に 消せない旗がある】

これぞザ・名作と言われるタイトル。
「アポロ13」は実際の宇宙飛行士がとてもリアルな宇宙映画として上げる一本だそうです。
映像技術が大きく進んだ現代の作品を差し置いて最もリアルと言わしめるとは…

ただ時代でしょうか。NASAの宇宙センターのセットはハリボテ感が若干あるのですが、注目すべきは宇宙船。本物を使っているのではないかと見がまうほどのリアリティ。もちろん、宇宙船など乗ったことはありませんがね。
それに、窓から見える宇宙(そら)の虚無感。そこには幻想的なものなど何も無く、ただの無。これがそらを漂う迷子のアポロ13の孤独感をより演出していました。

パニックムービー的な要素がありながらも、本質は愛や人間としての正義といった内面的な部分、そして何より社会的責任や対外的な政策といった冷戦下における宇宙計画競争が見え隠れしており、人間的な部分の描き出しが秀逸です。

運悪く地球に残る羽目になったゲイリー・シニーズとこれまた運悪くアポロ13に搭乗することになったケヴィン・ベーコン。
この偶然の人事が彼らを殺すのか、それとも救うのか?

ということで、実話とは思えないほどドラマチックな展開で最後までハラハラしっぱなしのエンタメ作品でした。
現代でも見劣りしない宇宙空間の演出は一見の価値ありでした。
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