【一言で言うと】
「罪なき“罪人”」
[あらすじ]
イランのテヘランで暮らすシミンとナデルには11歳になる娘がいた。妻シミンは娘の教育のために外国へ移住するつもりだったが、夫ナデルは老いた父のために残ると言う。ある日、ナデルが不在の間に父が意識を失い、介護人のラジエーを追い出してしまう。その夜、ラジエーが入院し流産したとの知らせが入り．．．。
これは．．．ただ単に“ズッシリくる映画”として決め打っていい映画なのだろうか🤔．．．
それくらい考えさせられましたし、何よりもこんなに感情を強く揺さぶられる感覚を味わったのは、後にも先にも今作だけかもしれません。
ストーリーとしてはそこまで壮大でもなければドラマチックな展開も無いのですが、観ていくうちにどんどん引き込まれるというか、展開が進んでいくにつれてどんどん事態が複雑になっていくので、観ているコッチも気が気で仕方がなかったです。
それにイランの映画って初めて観るもんですからね😅
あっちの社会情勢は日本とは違って複雑なんだろうな〜と思ってたら．．．全然そんなことなかったです😔
信仰上や宗教上での問題はあるものの、描いていることは全く一緒でした。
離婚に介護に民事訴訟．．．やはり抱えている問題は万国共通なんですね😞
にしても．．．これは辛いな〜😩
観たら分かりますが、誰も悪い人が居ないんですよ。
そりゃみんながみんな潔白ではないのは分かってはいるんですけど、みんなそれぞれに“理由”があるから一概に特定の人を責められないんですよね．．．
貧しさや父親の介護、それにプライドなどなど．．．トラブルの原因を作りたくなくとも作らざるを得ない状況下っていうのが一番心苦しかったです。
全体的には非常に淡々としていますが、とにかく観ていて心が強く揺さぶられる映画でした。
間違いなく今年観た映画の中でも1,2を争う秀作だと思います。
ラストシーンでの娘の表情など役者達の演技も素晴らしかったですし、雇用、宗教、夫婦など、それぞれの社会問題にも完璧に取り扱った秀逸な作品でした。
ただね．．．これ今の時期に観たらホンッとに死にたくなるような作品かもしれない(^◇^;)．．．
