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クローズド・ノートのkuuのレビュー・感想・評価

クローズド・ノート(2007年製作の映画)
3.5
『クローズド・ノート』
製作年2007年。上映時間138分。
日本映画。
良作を描き続けてる雫井脩介の同名小説(未読)を基に、1冊のノートによって結ばれていくかけがえのない絆を綴る実写化作品。

女子大生の香恵(沢尻エリカ)は引っ越しの際、前の住人が忘れていった1冊のノートを見つける。
ある日、香恵は画家の石飛(伊勢谷友介)に恋をするが、相談相手の親友ハナは留学中で連絡もままならない。
もやもやした気持ちを紛らわすように香恵はノートを開くが、挟まれていた写真にノートの持ち主の伊吹(竹内結子)がいた。。。

本題とは脱線しますが、
本作品に登場する万年筆。
万年筆ってのは色んなモンがある。
書き味も全然違うし、ペン先にもいろいろサイズがあって書き手の癖も関係してくるから、持ち主に合う万年筆って選ぶのが難しい。
小生も、今は示寂されましたが、京美人画を描くのを生業にしておられた方から生前頂いた、偶然にも今作品に出てくる万年筆と同じDELTA(デルタ)ってブランドのオーダーメイド万年筆を使ってます。
最近はパーカーの万年筆と気分で使い分けてますが。
作中、文房具店でアルバイトしている主人公を演じた沢尻エリカが使っていたのがこのブランドの『ドルチェビータ・ミニ』(主人公が大学入学に記念に父親と買いに行ったときに選んだ)やった。
『ドルチェビータ』シリーズは、イタリアの高級筆記具メーカーで、DELTAを代表するシリーズ。
ミニはちょいミーハー感はあるが可愛くて個性的かな。
父ちゃんが奮発して娘の何かの記念にプレゼントすんのはお洒落で最適かも。
『南イタリアの太陽をいっぱいに浴びた鮮やかなオレンジ色のボディー』って作中でも永作博美演じる香恵の同僚が語ってた。
主人公の性格を万年筆が表してるんかなぁと印象的やった。
それを難なく沢尻エリカはこなしてた。
大根役者の紗栄子の場面はイランやろ。

『偶然』
多くの映画作品はその偶然てのがあるからこそ、人の関係が成立し終結できる時があると思う。
それは無理やり、ご都合主義も否めない時もあるが。
そんなご都合主義なんて忘れる作品やったかな。
時が経っても忘れれへん人、思いだしたら胸が痛む人は誰しもいる。
しかし、それこそが甘い思い出となって今の己を作ってる存在やないのかなんて考えたましたし、
堀井香恵役の沢尻エリカは別としても、真野伊吹役の竹内結子、石飛リュウ役の伊勢谷友介、このメンバーが揃ってのドラマは、もう観れないんだと教えられてからの視聴やったし、嗚呼、もう三人揃った作品は二度とないんかぁ。
と、思ったら余計に胸が痛くなる作品でした。

他人の日記を主人公が読んでしまったことで伝えられた時を越えて届くメッセージ。
各々には失ったモンはあるが、前を向き生きていこうというラストには切ないながらも元気をもらえたかな。
日記は紙やったからこその映画やし、これがスマホアプリとかやったら話しにならへんなぁ。。。
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