東京キネマ

マチルダの東京キネマのネタバレレビュー・内容・結末

マチルダ(1996年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

原作はロアルド・ダールの児童文学『マチルダは小さな大天才』。こんな話が児童文学で良いのかいな、と思うくらいの恐ろしいお話で、凄まじいストーリーが展開する。

何が凄いかって、マチルダのパパは詐欺師で、ママはまるでフッカー。小学校担任のミス・ハニー女史だけがマチルダの唯一の理解者なのだが、ミス・ハニーの父親は鬼のようなトランブル校長(実はミス・ハニーの叔母)に殺されていたことが分かる。なんと、校長先生は殺人者だったという設定。なおかつ、ミス・ハニーはそれまで住んでいた家さえもこの校長に奪われ追い出されてしまっている。なんだかんだあって、マチルダの校長へのリベンジは成功するが、パパはFBIに追われ海外逃亡、マチルダはこんな家族と一緒に暮らすのは嫌だ、ミス・ハニーの養女になるんだ、ということで、ああそうかいそうかい、とマチルダの両親は簡単に親権放棄。ちょと待て、これ児童文学なのかい、本当に・・・。


まあロアルド・ダールも凄いけど、こういうお話をデ・パルマの『フューリー』のようなサイキックなアレンジを入れつつ、リベンジ劇を不思議なファンタジーに作り上げているダニー・デヴィートの演出力も凄い。オマージュとしては、『メリーポピンズ』やノーマン・ロックウェルあたりだろうと推察するが、あくまでロアルド・ダールの世界観を新しい視点で味付けしているセンスが素晴らしい。というより、やっぱりロアルド・ダールのストーリー・テイルなんだろうなあ。感覚的に飛びすぎて乗っかるのが大変だけれど、まあ、児童文学だと考えなけれりゃ良い訳で、それはそれで宜しいかと。
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