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カットバンクの東京キネマのレビュー・感想・評価

カットバンク(2014年製作の映画)
4.0
監督はTVドラマ・シリーズの『ファーゴ』を演出した人です。なので、アメリカ地方都市の寂寥感が良く出てます。何気に出演者も豪華で、ゆったりしたテンポながらシャープなドラマです。たんたんとしながらもカタルシスもあります。なので、見終わるとすっきりです。理由は恐らく、この主人公を許してあげたからなんでしょう。きっかけはお金ですが、別に被害者が居るワケでもない。「神との約束」を違えていることでもないので、まあ、いいんじゃないの、てな感じです。

これが日本だとそうは行きません。「お天道様が見ている」もんですから、許す訳には行かない。だからこそ、平和な社会が作れたってことなんですよね。許してもらえる社会ってのは、暴力を許容するってことですから、だから日本じゃ既に400年以上前にやった「刀狩り」さえ、アメリカじゃ今になっても出来ません。なので、この気分の良さってのは、我慢する必要はないんだよ、怒った時は暴力に訴えても良いんだよ、の裏返しのカタルシスなんで、はた迷惑この上ない、ってことでもあるんですけどね。。。
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