馬井太郎

マーキュリー・ライジングの馬井太郎のレビュー・感想・評価

マーキュリー・ライジング(1998年製作の映画)
3.8
1998年の映画、ブルース・ウィリスは、この年の12月「アルマゲドン」にも主演している。油が乗り切っていたが、すでに頭髪は、寂しくなっていた。
17年も経つと、映画って、やっぱりいいなあ、と思う。このころは、まだ携帯電話がなかったか、シーンの中では見なかったが、私が気が付かなかっただけか。冬季オリンピック・札幌大会もあった。「踊る大捜査線」もブームになった。
歳をとると、昔のことが、ことさら懐かしく蘇ってくる。

アメリカ映画に限らないかもしれないが、昼間から、仕事中でも、酒、それもバーボンとか、つよい酒を飲むシーンがよく出てくる。ここでは、アレック・ボールドウィンとのやり取りの中で、ウィリスは、ワインを2本開けて味見をする。話が終わってクーラー・ルームを出ていくとき、ワイン棚をひっくり返して去っていく。実に爽快である。
このやり取りの中で、ウィリスが大笑いするシーンがある。ほんの数秒にも満たなくて、シーンは、ぱっと変わってしまうが、彼の笑い顔は、非常に貴重である。白い歯が見えるほどの笑いは、たぶん、これだけではないか。
変なところにこだわるつもりではないが、ウィリスをはじめ、スリラー、サスペンス、アクションものでは、主役の笑い顔を観ることは、ほとんど無い。笑え、というのではない。あくまで、この映画のこのシーンに限って、面白い、ということを申し上げたい。
超能力少年:ミコ・シューズの演技をしない演技、彼を保護する:キム・ディケンズ、拍手を送る。
小説の書き出し一行、映画の冒頭シーンは、すべてを語る、とも云われる。けれど、わたしは、映画のラストシーンも大いに、その命だと思う。信じる? 信じない? 本編をご一覧あれ。