メイプルわっふるG

エスターのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

エスター(2009年製作の映画)
4.0
孤児院から引き取った9歳の娘エスター。
「この娘、どこかが変だ」
変なのはこの家庭環境で里子を欲しがる○○だ!と思わずにいられないサイコホラー。

エスター役のイザベル・ファーマン、妹マックス役のアリアーナ・エンジニア、ともに素晴らしい。
エスターの賢しらな態度、冷酷さ、狂気。これで製作当時11歳って強烈。
妹マックス役は、もともと難聴で手話が出来るアリアーナがスカウトされたとか。

ちなみにお兄ちゃん役のジミー・ベネットは、先日『悪魔の棲む家』(2005米)の弟役で見たばかり。そちらでは当時8~9歳と、彼も早熟な子役で大したもの。

そして母親役のヴェラ・ファーミガ。すっかりウォーレン夫妻のロレイン役なイメージ(私見)だけれど流石に人が相手では本領発揮できない模様。(違

家族に入り込み、じわじわと侵食していく様は『ボーグマン』(2013蘭白丁)を彷彿とさせる。ただし今作は投げっぱなしや意味なしホラーではなく、きちんと原因のあるサイコホラーに仕上げてあるため、ラストの展開は心情的には少々複雑。

現実的な理由が付くことで、"納得のいく説明を得た"と同時に"ぶっ飛んだ結末とはならない"というジレンマ。
今作は超常現象な怪異ホラーではなく、現実的な人怖ホラー。十分に破天荒だと思える初見時は大事。


2020.10.18 ザ・シネマ
2015.09.01 ザ・シネマ