メイプルわっふるG

蜜蜂と遠雷のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.6
とあるピアノコンクールに集う傑物たち。
「世界が鳴ってる」
天才は天才で進化する。※ダブルミーニング

原作小説:恩田陸『蜜蜂と遠雷』
単行本版所持&既読。~装丁がハイクオリティ・ハイセンス・遊び心という気合いとお金のかかった作り。

クラシック好きが喜ぶ名曲オンパレード。
子どもの拙いショパンから始まりバッハ移動、朝ランやバー。
雨だれや月メドレーによる天才たちの情景。
課題曲メフィスト・ワルツで物語をがっつりスキップするのは笑ってしまう。
そして片桐はいりさんあるある。

実写化に驚き。
神業の芸術音楽は活字(音無し)ゆえ表現可能なこと。どれだけ荒唐無稽なファンタジーでも許容されるのが活字の強み。
それを実写化って。。。できてる!
現実(映像)化するにあたり、現実味(リアリティ)のある世界に寄せることで納得の仕上がりに。人間臭さを増したことも天才を近い存在にしている。
言うなれば、
活字:超越した人外レベル 隔絶した天然の天才
実写:超絶した人間レベル 身近にいる悩める才人
群像劇のばっさりカットもすっきりとして見やすかった要因。

そして映画ならではの良さ。
「雨の馬たち」「トタン屋根に飛ぶ雨」
どちらも素敵な映像。
特に「暗闇の雨の中を疾走する黒馬」が完全に予想外の美しい光景。ダークファンタジーにならず実に清純。
「トタン」の方は、うらぶれた古い屋根&曇天を想像していたのに、おしゃれなブリキじょうろはズルいぞと。おしゃれ雨って『言の葉の庭』かと。

いつものごとく映画の前情報まったくなしでの鑑賞。キャラクターに現存ピアニストが重なる重なる。
そして見終えてびっくり。エンドクレジットに妄想していた金子三勇士さんと藤田真央くんの名前が。
うん、考えてみればイメージ通りだもんね。河村尚子さんと福間洸太朗さんも納得。

ああこれ逆か。この方々が元になって物語のキャラクターが出来上がったのかも。見た目使われやすいアヴデーエワさんみたいな。情報や解説見ないから知らないけれど。
各コンテスタントの元となるピアニストを探すのも楽しそう。原作トップバッターのやんちゃな彼が誰なのか是非知りたい。



2022.03.13 日本映画専門チャンネル
2021.02.20 日本映画専門チャンネル