ハル

女が階段を上る時のハルのレビュー・感想・評価

女が階段を上る時(1960年製作の映画)
4.2
昭和30年代の夜の銀座が舞台である。クラブの雇われママを、往年の大女優・高峰秀子が演じている。女は主人に先立たれて以来、決して他の男に身体を許すまいと、頑なに貞操を守ってきたが、夜毎銀座を訪れる男たちの手前勝手な振る舞いに次第に翻弄されることになる。

きれいな女性が悩んだり怒ったり泣いたりする様は非常に画になる。この監督はそのことを誰よりも分かっているので、ただそこに立っているだけでも美しい高峰秀子を、さらに美しく見せることに成功している。女の貞操と男のずるさを対比で描いたり、階段を上がる時の足取りの重さで心情を表現したりするなど、感心させられた箇所が幾つもあった。
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