ペコリンゴ

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリストのペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.3
記録。
悪辣の限りを尽くす警官に芽生える贖罪意識。主は彼を赦し賜うたか。

とにかくハーヴェイ・カイテルのドロドロなクズ警官ぶりに唖然。
アルコールに溺れ、手慣れた手つきで白い粉を吸引。野球賭博に手を染め、正当な理由などどこにもないのに怒りに任せて銃をブッ放す。

権力を笠に、停車させた2人組の若い女に卑猥な格好をするようにしつこく強要してその目前でシ○ったり、酒とクスリでぶっ飛んで全裸になり、貼り付けにされたキリストの真似事をするシーンは強烈以外の何者でもない。

終盤にて、修道女の信心深さに触れ、突如現れたキリストの幻影にそれまでに働いた悪事の懺悔をし、赦しを請う警官。
心境の変化は察するが、その後の行為があんまり良くわからず。赦しを与えるのはお前じゃないだろ。職務を全うしろよと。

キリスト教に造詣の深い方ならより一層の味わいがあるのかもしれないが、残念ながらそこまでな僕には、上述のクズっぷりの衝撃以外にあまり受け取るものは見つけられず…

けど、こういう役が自然にハマるハーヴェイ・カイテルは言うまでもなく素晴らしい。それだけでも観る価値はある。