たけちゃん

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団のたけちゃんのレビュー・感想・評価

4.4
一方が生きる限り、他方は生きられぬ!


デヴィッド・イェーツ監督 2007年製作
主演ダニエル・ラドクリフ


シリーズ「映画で振り返る平成時代」
今回は平成19年(2007)です。

平成19年の映画を振り返ると、シリーズものの年と言えるかもしれません。
「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」←3作目
「スパイダーマン3」
「ボーン・アルティメイタム」←3作目
「バイオハザード3」
「シュレック3」
そして、「ハリー・ポッター 不死鳥の騎士団」

こうして見ると、新しさには欠けるよね。
他には「トランスフォーマー」の1作目が公開。
「硫黄島からの手紙」もこの年ですが、「父親たちの星条旗」と前後編のような作品ですしね。
何となく安定感を求める時代で、変革期ではなかったのかもしれません。


お笑い関係で、この年の流行語は「そんなの関係ねぇ」で、小島よしおが大ブームでしたね~。IKKOさんが出てきてオネエブームにもなりました。
2人ともなんだかんだ、10年経っても生き残ってる!
ちょっと驚きました。凄いことだわ。



そんな平成19年、僕がレビューに選んだのは「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」です。

やっとハリー・ポッターが語れるなぁ\(^o^)/
しかも、「不死鳥の騎士団」ってことで、前回に続き騎士団です(ˆωˆ )フフフ…

原題は「The Order of The Phoenix」
"order"は訳し方が様々ですよね。
僕らだと「ファースト・オーダー」が頭に浮かぶかも(ˆωˆ )フフフ…
ハリー・ポッターの「不死鳥の騎士団」の訳はいいですね。普通に訳すなら「フェニックス団」って感じでしょうが、そうやって訳すよりも格調高くて好きですね。
映画では生徒によるダンブルドア軍団も結成されますね。不死鳥はダンブルドア家の象徴ですからね。


監督は今作からデヴィッド・イェーツに代わりました。
これより後のハリー・ポッター4作とファンタビシリーズは、みなデヴィッド・イェーツなので、この辺がハリポタファンを続けるか離れていくかの分かれ目です。
一言で言うならダーク路線。
子供向けジュブナイルファンタジーではありません。
もう、オープニングからダーク。
ダドちゃん出たのは嬉しかったけどね(ˆωˆ )フフフ…

今作のマクガフィンは「予言の水晶」です。
この予言をめぐってストーリーが進みますね。

今作の白眉はやっぱりアンブリッジ先生だよねぇ。
この方、素晴らしいですわ。
あのピンクの衣装と「ふふっ」って笑い方。
めっちゃキャラが立ってましたね~。
サイコーに嫌な先生。
悪役が引き立つほど、映画は面白くなるのでね。


そして、シリウス・ブラックですね( ᵕ_ᵕ̩̩ )
一族全員がスリザリン出身のブラック家という闇の家系の中で、唯一こちら側の人間ですよね。
恒星のシリウスというのは、太陽に次いで明るい星です。まさに暗闇の中で輝く光。
そして、シリウスが輝くのはおおいぬ座で、それゆえ、別名Dog Starとも呼ばれます。
この名前からして、シリウス・ブラックが動物もどきで、犬に変身するのが暗示されていました( ˘ ˘ )ウンウン、コジンノケンカイヨ


ストーリー上は、前作「炎のゴブレット」でヴォルデモートが復活。
いよいよ闇の魔法使いとの全面戦争が迫ってきました!
ただ、ハリーを取り囲む状況は以前厳しく、周りから浮いていきますよね。

ですが、やっぱり大切なのは友だち。
ハーマイオニーとロンの働きかけもあり、最終的にダンブルドア軍団が結成されますね。このあたりはジュブナイルものとして、とても良かったと思いました。


しかし、一方ハリー自身にある変化が生じます。
みなさんのレビューを読むと、ハリーの言動や行動にイライラする声も見られますね。もちろんその通りなんですが、実はそれには理由がありましたね。
ここからはかなりのネタバレになりますので、読みたくない方はここまでで。












後のシリーズを観た人や原作を読んでいる人はご存知ですが、ハリー・ポッター彼自身が分霊箱(ホークラックス)です。でも、分霊箱という言葉はまだ使われていません。ここでは、"つながり"として語られていましたね。だから、分霊箱の言葉は、ごっついネタバレですいません。

ダンブルドア先生だけがそれを知っていて、彼こそがヴォルデモートを倒す最終兵器になると思っているのだけど、それは決してヴォルデモート自身に知られてはいけない。しかし、ハリーとヴォルデモートは、前回の戦いで期せずして繋がりが生じてしまった。
そのため、ハリーの思いや感情、知識や記憶がヴォルデモートに知られてしまう危険が生じました。
そこで、ダンブルドア先生はハリーに情報を渡さず彼を避ける行動に出ます。そのことがよりハリーを苛立たせるんですよね。そして、意味も分からずハリーはスネイプ先生に閉心術を学ぶことになるんです。


そして、魔法省に隠されてる予言は、そのハリーとヴォルデモートとの関係を暗示しており、ハリーが分霊箱だと知られない為にも守らなければならないものでした。
この予言をしたのが他でもないトレローニー先生で、ダンブルドア先生がこの人を大切にしていた理由もここにありますね。


また、ハリーは分霊箱として、自分の中にヴォルデモートがいるわけだから、その影響を受けないわけがないんです。このへんって、「ロード・オブ・ザ・リング」で指輪の影響を受けていくフロドにも似てますよね。
少しずつハリーがヴォルデモートに似てくる。
ハリー自身がそう感じていきます。
だから、ハリーは自分を信じられなくなってくる。
そして、友だちを遠ざけるようになる。
こんな感じで、ハリーの"嫌な奴化"が進んでいくんですね。


映画後半ではいよいよデスイーターと不死鳥の騎士団の対決が描かれました。そして、ついにダンブルドア先生とヴォルデモートが対決。ここはカッコよかったなぁ。まるで、マスターヨーダとパルパティーンの対決のようでした。当代随一の魔法対決に本当にワクワクしましたよね。



さて、ついに全面戦争か?
ハリーはこの自体をどう乗り越えていくのか、本当に楽しみですね。
次作ではいよいよあの方が……(> <。)
それでは、またお会いしましょう。