kazu1961

東京オリンピックのkazu1961のレビュー・感想・評価

東京オリンピック(1965年製作の映画)
4.0
▪️Film Diary
🖋本年鑑賞数 :2021-420 再鑑賞
🖋#死ぬまでに観たい映画1001本 440/1001

🖋“いつ再鑑賞するの?今でしょ!!”そんな作品ですね(笑)。さあ今から開会式だ!!

🖋 1964年、第18回オリンピック競技大会、東京オリンピック。敗戦国から戦後復興、そして初の東洋開催、いろんな意味で日本人の夢と希望を託した大会でした。国民の感慨は今の日本人の想像をこえる物だったと思われます。結果、この大会に出場した日本人選手は、金16個、銀5個、銅8個の計29個のメダルを獲得しました。

🖋そして本日から始まる2020年、第32回オリンピック競技大会、東京オリンピックが本日2021年7/23〜8/8日まで1年遅れで開催されます。コロナ禍の中、開催の是非が問われていましたが、結果本日より開催されます。無観客ではありますが、その本質は、本作品でも観られるように本来なら国民の夢と希望、そして熱い応援があってのものだと思います。しかしもう始まります。この本質を胸に、テレビという画面を通してからでも熱量のある応援をしていきたいと思います。そのためにも本作でその熱量を再認識させられたことは良かったと思う、そんな作品です!!

🖋日が登るところから本作はスタート、聖火ランナー、当時の日本の背景、入場行進そして開会セレモニーと冒頭で胸がいっぱいになります。

🖋 総監督を務める市川崑は、その妻で脚本家の和田夏十のコンビに加え、脚本家の白坂依志夫と詩人の谷川俊太郎という布陣で本作にのぞみました。ドキュメンタリーなのに、緻密な脚本を書き、これをもとに壮大なドラマである『東京オリンピック』を撮るという制作手法をとったんですね。カメラマンは世界的に名を知られた宮川一夫が主導しました。アスリートの心情の表現を重視した演出や、超望遠レンズをはじめとする複数のカメラを使った多角的な描写などを駆使し、従来の「記録映画」とは全く作品を作りあげました。当然レニ・リーフェンシュタール監督の『民族の祭典』なども参考にしたと思われ、同様に“芸術か記録か”という大論争を引き起こすことになったんですね。しかしながら、カンヌ国際映画祭では国際批評家賞を受賞、国内でも大ヒットとなりました。(参考:Wikipedia)

🖋やはり観ていて、アスリートの力強い美を感じます。市川監督は、競技シーンを力強い映像に置き換えました。足、尻、緊張した首といった体の一部を見せて完成された肉体をその存在の美に変えています。女子80メートルハードル決勝などはその代表(他の競技にも使われますが)。背景音も音楽も止まり、沈黙の中でもスローモーションの映像が流れます。顔が緩み、筋肉が緩み、脈打つ、スポーツの美が凝縮されているシーンですね。そして並行して垣間見える人間の弱さや緩い部分をも描いているのも物語としてよいですね。

🖋そしてなんと言っても日本人の金メダル、表彰台のシーンは良いですね!!以下、金メダル獲得者です。特に東洋の魔女ことバレーボールのソビエトとの白熱の接戦を取った時には鳥肌が。。。
・体操団体、体操個人総合(遠藤幸雄)
・体操つり輪(早田卓次)、体操跳馬(山下治広)、体操平行棒(遠藤幸雄)
・レスリングフリースタイルフライ級(吉田義勝)、レスリングフリースタイルバンタム級(上武洋次郎)、レスリングフリースタイルフェザー級(渡辺長武)、レスリンググレコローマンフライ級(花原勉)、レスリンググレコローマンバンタム級(市口政光)※レスリングの躍進はメキシコオリンピックを目指すアニメ『アニマル1』に繋がりました。
・柔道軽量級(中谷雄英)、柔道中量級(岡野功)、柔道重量級(猪熊功)
・ボクシングバンタム級(桜井孝雄)
・重量挙げフェザー級(三宅義信)※今回のオリンピックウェイトリフティング三宅宏実さんのお父さんですね。
・女子バレーボール※“東洋の魔女”と呼ばれ、ドラマ『サインはV』やアニメ『アタックNo1』につながりました。

円谷幸吉、惜しくも銅メダルでしたが、超人アベベ選手を中心としたクライマックスのマラソンも鳥肌モノです。。。

🖋あと、当時の開会の辞をお読みになられる昭和天皇や、若き日の長嶋茂雄も王貞治が並んで観戦している映像などが観れるのも良いところですね!!

▪️Database
🎥邦題 :『東京オリンピック』
原題(英題):※※※
🎥製作国 :日本
🎥初公開 :1965
日本公開 :1965/03/20
🎥上映時間 :170分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):市川崑、渋谷昶子(バレーボール)、安岡章太郎(体操)、細江英公
脚本 :市川崑、和田夏十、白坂依志夫、谷川俊太郎
原作 :※※※
音楽 :黛敏郎
出演(声優):※※※

▪️Overview (映画. comより)
和田夏十、白坂依志夫、谷川俊太郎、市川崑の共同シナリオを軸に、ニュース、劇映画のキャメラマン一六四人が、イタリアテクニスコープ・カメラ五台と、二〇〇ミリ、一六〇〇ミリの超望遠レンズ、その他光学技術最高の技術をふるって撮影した、五輪映画初のワイド版。また監督の一員として参加した安岡章太郎が、体操と一人の選手のエピソードを担当、谷川俊太郎がカヌー競技の撮影にあたった。総スタッフ五百五十六人、総監督市川崑。2004年に市川監督自身が再編集し、音声を5.1ch化した「東京オリンピック 40周年特別記念 市川崑 ディレクターズカット版」(148分)が発表された。
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