タキ

007/ゴールドフィンガーのタキのレビュー・感想・評価

007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)
2.8
007シリーズ3作目。
あまりに有名なゴールドフィンガーのテーマ曲。通して聴くとパンチあるし心臓にくる。
メキシコの革命家ラミレスの工場を爆破するため海から潜入するボンド。冒頭いきなり海鳥の剥製を頭にのっけて海中から上がってきたので「あ、1作目の感じかwww」と諦めというか覚悟ができ、そうすると最後までツッコミながら楽しく見られた。
どうも核爆発が絡むとトンデモB級SFモノにギアチェンジしてしまうらしい。
前回Qから渡されたアタッシュケースに加えてボンドカー、アストンマーチンDB5や発信機など数々のお初の秘密兵器がでてくる。Qの地下研究所のくだりそんな長尺で必要か?って笑ってたんだけど核爆弾装置の解除をする彼を科学者として印象づけるためだったのか…て違うじゃないか!おじさんだれ!?ってフォート・ノックスでのシーンで盛大にズッコケた。スイッチでパチッと一発解除できる非常にスマートな爆弾だったっていったい誰が想像できただろうか。いつどんな状況で使うのかナゾすぎるガスが噴射するパーキングメーターとか未完成とか言ってるわりには弾丸打ち込みすぎてて大丈夫かと不安になる防弾チョッキとか実用化してない秘密兵器もチラッとみられて面白かった。
それからボンドガール(ゴールドフィンガーの女ジル・マスターソン)が殺されたのは本作が初めてで、全身に金箔を塗られて皮膚呼吸ができなくて死ぬというトンデモ設定ながら、Mには復讐ではなくて任務だ冷静な判断ができないなら008を後任にすると言われてしまう。しかしそののち復讐心にボンドが苦悩する場面は一切でてこなかった。復讐にかられたジルの妹がゴールドフィンガーを撃とうとするも殺されるというエピソードも追加してあるが、やっぱり苦悩はしていなかった。女と見れば見境ないボンドのあのご様子からすればMは心配しすぎてる。なんだかMがパパみたいに見えてきた。そしてまたでてきたヘンな名前のボンドガール、オナー・ブラックマン演じるプッシー・ガロア。ボンドの性癖からして好きなタイプなのはわかるけど力ずくはよくない。女はああいうの好きなんでしょって思うのは悪しき思い込み。力の差から組み伏されるなんて屈辱以外のなにものでもない。
裏切りのボンドガールを二連発で見せられた一方で主人に忠誠心のアツすぎる武器としては効率の悪い帽子フリスビーがさらに仇となったオッド・ジョブ。セリフもないしチラッとでてくる面白キャラかと思ったらけっこうでてくるでてくる。準主役はゴールドフィンガーじゃなくてオッド・ジョブじゃないのって思うぐらい破格の扱いだった。ゴールドフィンガーの役は英語の部分は吹き替えにしたというドイツ人俳優ゲルト・フレーベにしなくてもよかったのでは。若いイケメンの俳優さんだったらボンドと並んで見栄えもしただろうしなぜそうしなかったのか…と思ってたら飛行機の割れた窓ガラスから外に放り出される段になって、一旦ハラがつっかえるためだったとわかった時の脳が痺れた感じをどうみなさんにお伝えすればよいのか。
あとフィリックス・ライターよ、いつCIAやめたの。いっといてよもう。
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