タブロイド新聞社に勤める主筆ロビンソンがメディアの悪辣さを露呈させる。倫理なくして既得権益の暴力に抗う術なしという点でいまでも十分に刺さる。冒頭のチンピラがペンキでキオスク襲撃する場面からしてまともな会社じゃないことは明らかだ。投げ捨てられた電話と打ち捨てられる朝刊は資本主義による使い捨ての人生を否が応でも実感させられて虚無に。1931年から何も変わってない。麗しきマリアン・マーシュの危機迫る啖呵に一同唖然！当然私も！

最後まで劇伴無しとは恐れ入る。それだけでなくOPの輪転印刷機の反響音、発行部数や固有名詞等を列挙する冷めた台詞回し、役者個々人の演技のテンションで緊張感が演出されているのも見逃せない。
遂に新聞社へ電話する場面の分割画面は見もの。あの面倒な保留の時間をこうやって見せるとは。こうしてエドGの受話器に注目させた上でのラストのガラス割りなのよな〜。満足。