囁きのwhisper

静かなる一頁の囁きのwhisperのレビュー・感想・評価

静かなる一頁(1993年製作の映画)
3.3
【渋谷TSUTAYA VHS回収】
ソクーロフ監督作でタイトルに「静かなる」ときたら、それはそれはどんな睡眠導入映画なのかしらと思い、眠気のない午前中に鑑賞。
確かに静かで動きのないシーンもかなり多いものの、意外にも大人数が騒いでるようなシーンも多め。

どうやらドストエフスキーの「罪と罰」をソクーロフ流にアレンジしたもののようだが、お話の内容はさっぱり。ただ画面の薄暗さ、陰鬱さは凄まじい。
終盤になり、少女との対話が始まると少し頭に入ってくるようになる。どうやら男は「神はいないし、いたとしても小さく弱い存在には何もしてくれない」という主義を持っているらしい。
ここで男に詰め寄られる少女の、びっくりして口をつぐんだ表情がとても可愛い。

ラストは動物(ライオンっぽい?)の巨大な像の下に寝っ転がる。この像が”神”の象徴的なものなんだろうか?
ページをめくっていくエンドロールが印象的。終始どんよりした本編とのギャップ。
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