わじ

2001年宇宙の旅のわじのネタバレレビュー・内容・結末

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

スタンリー・キューブリックのSF作品の金字塔と言われる不朽の名作。
でも…難しい……難しすぎるわっ!!!!と叫びたくなる作品でした。これ現代なら放送事故だろ…?って何回も思った笑

<THE DAWN OF MAN>
『ツァラトゥストラはかく語りき』からのタイトルは完璧といっていいほどのオープニング。しかしその後、祖先が道具(知恵)を手にするまで約30分の間「これはどんな意味があるんだろう…何を見させられているんだろう…」という思いはぬぐえなかった。

<JUPITER MISSION>
そして舞台は宇宙へ(早っ)
CGのない時代にどうやって撮影したんだろう?という疑問と、月面着陸する以前(情報がない)にどうしてここまで機材、宇宙空間を精緻に再現することができたのだろう?という徹底的な考察と科学的検証に驚嘆し、そして1968年の時点で人工知能の到来、暴走を予期していた脚本の妙、先見の明に脱帽しっぱなし。
特にHALの無機質な赤いランプが、次第に知能を持った“生命体”に見えてきたことが印象的だった。最初可愛かったのに怖かった~。

<JUPITER AND BEYOND THE INFINITE>
はい、私はここで完全にキューブリックに置いていかれました。
妙な機械音と色使いの中、流される→白い部屋に到着→年老いた自分がいる→赤ちゃん???って感じで映像はしっかりと見ているのに脳内処理が追いつかず何が起こっているか理解できませんでした。鑑賞後、色々調べたり、様々な解説コメントなどを見て何が起こったのか理解できたけど、「みんなこれを初見でどこまで理解できたのだろう…キューブリックまじで頭おかしい(褒め言葉)」というのが正直な感想でした。

作品自体をけなしているわけではなく、むしろ21世紀の宇宙旅行をここまで精緻に撮影仕上げた手腕と、現代にも通ずる設定を50年以上前に書き上げていることに驚きだし、逆にこの「天才」が見ている世界を理解できない自分が恥ずかしく、今なお新鮮に見られる(賛否両論を巻き起こす)作品に仕上げているキューブリック節全開の作品でした。
わじ

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