わじ

フリー・ガイのわじのネタバレレビュー・内容・結末

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「トゥルーマン・ショー」×「レディ・プレーヤー1」×ライアン・レイノルズ×豪華カメオ出演のコメディ要素強めだけど、しっかり訴えかけるものがある20世紀スタジオのチャレンジングな作品。

◯感想
ライアン・レイノルズ主演というだけで、前情報0で見に行きましたが、大正解でした!もし終盤の展開知ってしまっていたらあんな感動と興奮は訪れなかったかもしれません。劇場で思わず前のめりになりそうでした。
ゲームの中のモブキャラを主人公にするという設定は新しく、随所にゲームあるあるが組み込まれていて「懐かしいな〜」と思いつつ、FPSとかやっている人だとより細かい演出に気づけるんだろうな~というくらい随所にネタが仕込まれていました。ただのバグで発生した現象ではなくAIが初めて人工知能を獲得したという設定は妙にリアルで、現実世界でも今後、ディープラーニングを繰り返しているうちに(設計者の意図しないところで)発生しうるのかも?と思いつつ、見方によっては「自我」とは何かを考える深い内容になりそうに思いました。細かいとことは「まあゲームの中なんだし」と目をつぶれるかで評価が変わってくるかな〜という印象でした。

◯登場人物が際立ってました
主人公ガイを演じたライアン・レイノルズ。二枚目と三枚目をピリッと使い分ける演技が最高にかっこよかったです。デッドプールの印象が強いですが、それとはまた違ったコミカルさと力強さがあり、本当に演技の幅の広い俳優さんだと思いました。また、現実世界の少し田舎っぽいプログラマーとフリー・シティでの綺麗なモロトフガールを演じていたジョディ・カマーもメイクの仕方と目つきでガラリと印象が変わる魅力的な女優さんでした。そんな彼女のパートナー キーズを演じるのは「ストレンジャー・シングス」で注目のジョー・キリー。女性に対する奥手感と聡明な人柄が滲み出ていて新しい印象を受けましたし、何よりも嫌な意味で存在感を示していたのがアントワン演じるタイカ・ワイティティです。監督もできながらこれほど重要な役割を「嫌な役」として演じきれるのは本当に素晴らしいと思います。「ジョジョ・ラビット」と全然違うじゃん…と思ったのは私だけではないはずです(笑)

自分の人生は誰かに操られるモブキャラではなく、自分が主人公で生きていこうよ!集団の中で異端がいたっていいじゃない、多様性だよ!という風にただのコメディ映画だけでなく、その裏側のメッセージも込みで楽しめる作品でした。
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