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ゾディアックのabeeのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.9
【△/u B〼 □TY】

「ゾディアック」。
それはアメリカ犯罪史上に残る伝説の連続殺人犯。

スマホでは使用できない記号が多くて苦労しましたが、ゾディアックの気分で暗号を書いてみましたよ♪
これは私の声ではありません。全てはゾディアックのせいなのです…☠️

作品自体はとても分かり易い作りですね。時系列もそのままに淡々と物語が進みます。捻りが無いので面白みが無いと思われることもあるでしょうね。
原作はこの物語の主人公グレイスミスが執筆した本。登場人物たちは全員が実在の人物であり、実際に「ゾディアック事件」が起こった時期にグレイスミスは「サンフランシスコ・クロニクル」で風刺漫画家として仕事をしており、独自に事件について捜査をし、この本を出版しました。

ところがこの事件は迷宮入りの未解決事件として現在まで取り扱われています。

グレイスミスの推理は全てが状況証拠の積み重ねであり物的証拠が何ひとつ無い仮説のひとつに過ぎません。

この作品はミステリーというよりゾディアックにある意味魅せられてしまった人々の群像劇。
私がゾディアックのせいでこんな暗号文を書いてしまったように、この物語の登場人物たちもゾディアックに生活を浸食され人生を狂わされていきます。
連続殺人犯の物語であるにも関わらずグロ描写も少ないのですが、それでも全体に漂う重苦しく不穏な空気感は流石デヴィッド・フィンチャーと言ったところでしょうか。

暗号化された犯行声明を新聞社に送りつける不敵な殺人犯をどこか面白がっているようにも見える新聞社と一向に尻尾を掴めない警察の苛立ち。
そして、どこか好奇心で追いかけていた殺人犯に気づかぬ内に接近しすぎてしまう恐怖。淡々とした物語進行の中にじわじわと迫り来る高揚感。何故か観返したくなる魅力のある作品なんです。

ということで、アイアンマンにハルク、そして新キャラ・ミステリオが主演のMCU好きにもある意味美味しい作品。
ロバート・ダウニー・Jr.はこの頃からすでにトニー・スタークなので安心して観れますよ笑

そういえば、ストーリーには関係ありませんが、ロバート・ダウニー・Jr.の衣装がとてもお洒落。
スカーフ使いがとても素敵で、その点にも皆さん、注目してご覧下さい笑
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